苦しい言い訳 ページ28
*
オッパが…
あたしが縫い付けたワッペンを優しい目で見てる。
そして、その長い指で、そっと縫い目をなぞる。
あ、あんまり見ないで…ガタガタだし(汗)
何でそんなに優しいの？
何でそんなに可愛いの？
あたしよりずっと大人の男の人なのに、可愛いって言わせてしまう魅力的な人。
その笑顔が、優しい目が。
あたしに向けられるのは、妹としていればこそなんだよね。
たとえ妹として向けられる笑顔だとしても、それを手放せないあたしは
ただこうして横顔を見ているだけ…
「大切にするよ…」
そんな風に言われたら、泣きそう…
「ねえ、ハニ…」
「ん？」
「俺さぁ…ユリと……」
え、待ってオッパ…
嫌だ。
オッパの口から、ユリオンニとのこと聞いて冷静でいられる自信ないよ。
全身が、拒否反応を起こす。
聞きたくない。
気づいたらあたしは…
心とは正反対の言葉を必死の思いで手繰り寄せてオッパに投げかけてた。
「あ！オンニから聞いたよ！もー！！ヒョン、ダメだよ？
女性からプロポーズさせるなんて！相変わらず詰めが甘いんだから！」
「え…」
先に言われてビックリしたのか、オッパが目を見開いた。
「オンニ、すごく寂しそうだったんだから！
これからはオンニのこと、ちゃんとリードしてあげなきゃ！
あたし、妹として二人のこと応援してるから！！」
「ハニ…」
あたしは、オッパがなにか言う前に、パンツに付いた芝生を払いながら立ち上がった。
「あ、あたしちょっと…」
「ハニ、待って」
「ゴメン、ヒョン。飲み過ぎたみたい。
また酔っ払っちゃうと迷惑かけちゃうから帰るね」
苦しい言い訳。
今日、あたしがお酒を飲んでないのはみんな知ってるのに。
でも、もう限界だった。
「ハニ」
「ヒョンも早く戻って？主役がいないとみんなに怒られるよ？」
お願いだから、これ以上あたしを惨めにさせないで……
「わかった…送っていかなくて大丈夫か？」
「え…だ、だいじょうぶ！！さ、早く戻って！！」
「あ、ああ…」
オッパの肩をくるりと回して背中を強く押すと、少し困ったように眉を下げた。
あたしが一番好きな顔で、何度も振り向きながら店に戻るオッパが
振り向くたびに何度も早くと促して手を振った。
オッパが見えなくなって、崩れ落ちるようにその場に座り込むと
さっきまで堪えてた涙が堰を切ったように溢れ出して…
オッパ…
妹でいるって、こんなに辛いものなんだね。
*
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さくらこ(プロフ) - yuさん» yuさん、コメント頂いてたのに気づかなくて今頃ごめんなさい(T ^ T)やっと思いを伝えあった二人ですが、まだまだ先は長いようで…気長にお付き合いくださいね！本当にごめんなさい。ありがとうございます！ (2013年12月23日 23時) (
レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
yu - やっと結ばれた〜(*/ω＼*)告白の感じも二人して可愛くて最高です！続きも楽しにしてます（*^_^*） (2013年12月4日 22時) (レス) id: 053314da0c (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ななすけさん» ななすけさん、コメントありがとうございます！ええ、ええ、やっと肌と肌が←エ ロいw素直になった二人のその後も見守ってあげてくださいね！ (2013年12月3日 20時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - yuさん» yuさん、またまたコメありがとうございます！大好きだなんて言っていただいて嬉しいやらお恥ずかしいやら(///△///） もうすぐ更新しますので楽しみにしてもらえたら嬉しいです！ (2013年12月3日 20時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
ななすけ(プロフ) - あぁ、肌と肌がーっ！！この温かさに誘われて、素直になれますように。 (2013年12月2日 22時) (レス) id: db7694f338 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらこ
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年10月23日 16時
