8.ひとりきりで過ごす夜 ページ9
毎週末に行われるツアーが始まると同時に、
私は一旦自分のおうちに帰るのが決まりになっていた。
貴くんが出たあとのお部屋に、
夜ご飯を作りに行って、お洗濯をして、
そのまま自分のおうちに帰る。
これは、付き合いだした時からの約束で。
貴くんは、「不器用だから、ごめん」って言っていた。
理由はそれより深くは話してくれなかったけど、
余計なエネルギーをつかわないようにってことなんだと私は思ってて。
どれだけ愛し合ってても、きっと貴くんはそれなりに気を遣ってて。
なにより、私にはわからない世界のお仕事をする貴くんは、
きっと貴くんにしかわからない何かがある。
だから、私もそれ以上聞かない。
2ヶ月ちょっとのあいだ、私たちは離れ離れ。
毎日、一緒に洗った貴くんのかおりのするタオルケットを1枚もって帰るのが日課になっている。
それに包まれると、
会えなくても貴くんに「おやすみ」って言われてるような気がするから。
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凪紗。 - さなさん» 身に余る言葉をありがとうございます。励みになります。これからもどうぞご覧頂けると嬉しいです。 (2019年6月17日 0時) (レス) id: ce83842b8b (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 最高な作品です!この作品は、もっと評価されるべきだと思うくらい、最高です!!!これからの更新、楽しみにしてます。頑張ってください。 (2019年6月16日 21時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凪紗。 | 作成日時:2019年6月13日 12時