俺、面倒くさいから恋愛はしません 2

本題 ページ19

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控え室から出ると同時にスーツ姿で額に汗をかきながら仕事を手伝うAちゃんを視界に捉えた。







………撮影スタッフに任せときゃいいのに。









「あー、…お疲れ」





「わっ、あ、ユンギさん！お疲れ様です！」








声をかけた俺を見て慌てて顔を上げた。








「……凄いですね、いつもノーセットのユンギさんしか見てこなかったから、凄くカッコイイです」









改めて言われて柄にもなく照れる俺。








「あー…まあ、いつもはマスクもしてるし」






我ながら無愛想すぎる返事を返す。



そんな内容もクソも無い返答にすらニコニコしてどちらも素敵です、って返すAちゃん、どこでそんなテクニック身につけてんの？





勝手に浮かれて次のランニングの約束までこぎつけにかかる。









「あっ、ごめんなさい、今週末はジェヒョンと」









……………絶対顔に出たよな、俺。






ジェヒョンとやらと飲むらしい。









羨ましいぞ。ジェヒョン。譲れ。







「あー、なら別に今度で」



「はい、是非」






ぶっきらぼうに答えて本題を思い出す。









「……あ、ケータリングなんだけど。控え室にあった候補から2店舗注文したらダメかって。テヒョナとジミナが。」








語尾、大事。





あくまで俺はこだわりは無い。


ガキじゃあるまいし。






ちょっとだけ最後の一文を強調させて伝える。









「あ、もちろん大丈夫だと思います！」






スタッフに確認してみますね、って言ってくれたのに控え室に戻るどころかそこから動かない俺をきょとんと見つめるAちゃん。







「ユンギ、さん？」







「似合ってる」








「え？」









「髪。似合ってる。」









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