検索窓
今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:1,981 hit

9. ページ10

.

テストの一件があってから、Aのバカさは事務所中に広まって、
会社の人からAは1日2時間しっかり勉強することが取り決められた。

Aは最初こそ「お芋のせいだからね」と何かを僕のせいにしていたけど、
小テストや成績関連のことになると絶対に僕のところに来てノート写させて、とか、範囲どこ、とか、頼ってきた。
僕はそれがとても気持ち良くて、勝ち誇った気分になった。



「ジミナ、本当にAと仲良しになったねえ」

ある日の放課後、練習室に向かう途中、テヒョンが言ってきた。

「なってないよ、ぜんっぜん」

僕は覆いかぶせるように返した。

「そう?Aの口数、絶対増えたよ」

テヒョンは軽いステップで僕の目の前を後ろ向きで歩く。
彼はいつももたもた歩くか、こうやってちょろちょろ歩くかで、まっすぐ前を向いて歩かない。

「仲良くなったとしても関係ないじゃん、それ」
「いやぁ〜、あるよ、」

英語はナムジュニヒョンに聞きに行ってるみたいだし、ヒョン喜んでたよ、と言うテヒョン。
僕にはなにも有益じゃないけど、ヒョンがいいならそれでいいか、とも思った。



練習室には誰もいなかった。
Aはきっと図書室かどこかで自習をしている。


僕は爆音で音楽を鳴らして、今課題のステップを練習した。
初めてAが踊っているのを見たときのステップ。
僕にはまだまだ、ものにできない。




Aの毎日2時間のロスこそが、僕がAを超えられるチャンスだ。



僕は知らないうちに、Aを最大のライバルのように思っていた。


練習生になってから、毎日必死に練習した。

それはデビューを夢見ていたからというよりかは、
何もかも僕より勝っているAに、どうしても負けたくなかったからだ。

10.→←8.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジミン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヤコ | 作成日時:2019年1月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。