泥棒猫、捕まえました【d!】 (ページ9)

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gr「…お前、中々話さないんだな」

『申し訳ない。あんなに沢山の人に一気に話されると何から答えればいいのか分からなくてな』

gr「いや、別にいい。それは彼奴等が悪いからな。
　ところで猫、お前女だったんだな」

『誰も男とは言ってはいない。女とも言ってはなかったが。
　だが、相手が自分のことを女と思ってなかったとは』

　先程とは違い、饒舌に話しながら自らの髪を摘み上げて、「髪だって長いのだが」と付け加える猫に、グルッペンが話し出す。

gr「まぁ、何というか、自分達のいる城に易々と侵入したのだから、女ではないだろうという偏見があったんだろうな。
　…かくいう私もそうだが」

『ところでグルッペン、これから私はどういう扱いを受けるのだ？』

gr「さっき言っただろう、飼うと。
　…あっ、違う。飼うって言ったらあかんかった。保護、保護するわ」

『あぁ、さっきの人…トン氏さんだっけ？』

gr「そう、トントンだ。俺の自慢の部下で、悪友だ」

『あの人いい人だな。私の裸見た途端倒れたけど。
　つーかここの幹部、一部の人デリカシーがなさ過ぎじゃないか？』

gr「ガン見しとるやつおったな。
　というか、男に風呂入れられるって言われてなんか言えばよかったじゃないか」

『いや、仮にも此方捕まってる身だからな。取り敢えず従っておこうと』

gr「お陰でワシら余計な警戒したんだが」

『それはごめんて』

　なんて談笑(互いに真顔で笑ってなどいないが)をしている間に、オスマンと鬱のいる部屋に着いたようだ。

　二人は一度、悩みに悩み抜き選出された服を持って行ったが、其処で初めて女だと知らされて、再び女性用の服を選ぶために戻ったのだ。

　なので今の猫の服はかなりぶかぶかな男物。

　グルッペンが「入るゾ」と言いながら扉を開けば、待ってましたと言わんばかりに服を両手に目を光らせたのはオスマンと鬱。

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