泥棒猫、捕まえました【d!】 (ページ4)

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　さて、前回の会議から丁度一週間。今回の議題もまた、先週解決できなかった食料の異常な減少について。

　サボり癖やら遅刻癖やら脱走癖やら、何かと一癖どころか何癖もある者達だが、食料に関しては思うところがあるのか幹部全員は予定の時間に遅れることなく会議室に集まっていた。

　…そう、“幹部”全員“は”。

tn「…グルさん遅すぎや」

em「もう予定の三十分すぎてますね」

kn「また脱走しとるんやない？」

os「最近城下町に新しいケーキ屋さんが開店したから、それかもしないめぅ」

　中々姿を表さないグルッペンに、トントンが苛つきを露わにし始め、時間通りに来た者でさえ冷や汗を流した頃。

　「もう我慢の限界や」と呟きゆらりと立ち上がるトントンに、ﾋｯと声を漏らしたのは一体誰だったのだろう。

　それも、ドアを思いっきり押し上げる音で掻き消された。

gr「すまない、待たせたっ！」

tn「おいグルさんっ！！なに、おくれ…て……

　 ………は？」

　姿を現したのは誰を隠そう遅刻した張本人のグルッペン。
　髪に葉やら枝やらを絡ませて、服装は見事に乱れてるその姿は、多くの国民を虜にしたかの総統閣下とは思えない程ボロボロであった。

　しかし、彼がそのような姿をしているのは何も珍しいことではない。

　むしろそれが日常と言っても過言ではなかろうか。

　トントンを始めとする幹部らが、口を半開きにし、目をかっぴろげ、者によっては手にしていたものを落とすという醜態を晒したそのわけは、主に彼の右手にいる“者”のせいであろう。

gr「＿＿＿＿＿＿泥棒猫、捕まえたゾ！
　

　うちで飼おう！」

『…え？あ、に、にゃー？』

｢｢｢｢｢｢｢………………。

　っ、はぁぁぁぁぁぁぁぁっ！？｣｣｣｣｣｣｣

　そう、彼が首根っこを掴んでいたのは、猫なんて可愛い者ではなく、グルッペン以上にボロボロな姿の“人間”であった。

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