ココロ ページ13
「はい!この話終了!次、次行こう」
先程の美しい表情から一変、もとの愛らしい彼女に戻る。
「それじゃあ、次は私の番かな」
『ハルさんは誰が気になります?』
「私は糸師凛だね」
「ハルさんはそういう子が好みなの?」
仕返しとばかりにリリちゃんがハルさんに訪ねる。からかうような、あどけない笑みは流石ヒロイン属性持ちといったところだろうか。
「違う」
たったそれだけの言葉。それなのに、妙に威圧感があって、声が出なかった。チラリと横を見ると、どうやら、リリちゃんも同じようだった。
「私は、女の子が好きなんだ。勿論、恋愛的な意味でね?…まあ別に君たちを取って食ったりしないから、それは安心してほしいかな」
ハルさんは、ちょうど下を向いて軽く欠伸をしたので、その表情は髪で隠されていてよく見えなかった。
『そう…なんですね。で、でも、ハルさんは女性に好かれる女性って感じがします』
「わかる!それに、わたしもそういうの全然いいと思う。恋愛の形なんて人それぞれだし。…でもね、ハルさんには自分のココロに従って生きてほしいな」
「!私のココロ…ね。リリ、フォローありがとう。…で、何で凛を選んだのか、だっけ?」
“自分のココロに従って生きてほしい”リリちゃんのハルさんへ向けた言葉。私へ向けた言葉じゃないはずなのに。それでも、私の胸に刺さるものがあった。
(果たして私は本当に自分のココロに従って生きれているの?)
考えても、必ず答えがあるとは限らない。本当に大事なことは自と見えてくるはずだから。今はこのプロジェクトが無事に成功することだけを祈って、今日を生きるだけ。そう自分の心に言い聞かせて、ハルさんの言葉の続きを待った。
「私はこのプロジェクトで雇われる前は、スペインのクラブチーム、レ・アールの下部組織にスポーツトレーナーとして所属してたんだ。そこに新世代11傑に選ばれた“糸師冴”っていうMFがいてね」
『糸師ってもしかして…』
「そう、凛は冴の弟。だから興味があるの。世界一のMFの兄と世界一のFWの弟。そんな未来を、私は期待している」
先程とは打って変わって、希望に満ち溢れた表情を見せるハルさん。中性的でどちらかというと男性寄りに見える容姿の彼女の横顔は、凛々しく、それでいて、どこか儚げで色気を感じさせる妖しさを纏っていた。
*****
百合(GL)にするつもりはありません!ハルさんにもきちんとキャラとくっついてもらう予定です!
作者より
174人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブックマーク(プロフ) - 最高です!応援してます! (2023年2月13日 2時) (レス) @page14 id: 30dece2dde (このIDを非表示/違反報告)
るぁ - うぁ好き…夢主ちゃんが凄いのに謙虚だったりほかの二人も性格が良さそうなのがめっちゃ好き…とりあえず付き合ってください(?)今後の展開楽しみです! (2023年1月30日 19時) (レス) @page9 id: b6e4bb87a9 (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - うわ、面白い………………!神作品ありがとうございます!!笑応援しています! (2023年1月20日 20時) (レス) @page6 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美少女に生まれ変わりたい一重モンスター。 | 作成日時:2023年1月17日 0時