60.さくらとチューリップと赤 ページ11
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この世には、奇跡が沢山ある。今
この瞬間も幾つもの奇跡が起こっている。
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『横山くん。返事きた？_______くんから』
『いや。来てない。』
『ヤスは？』
『来てない。』
『やっぱり、来られへんのかな』
『……』
『こっちにはおるみたいやねんけどなぁ…』
『場所は言うた？』
『一応なぁ。』
『Aに、会って欲しかった』
『…そうやな。』
『______くん、元気にしてんのかな…。』
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忠義くんと私を真ん中にして、
6人で桜を見に外に出かける。
こんなのは、久しぶり。
そんな気がする。
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この街で有名な桜並木には、
もう既にお花見をしている人達は沢山いた。
私たちもなんとか場所を確保し、
ブルーシートを引いて座る。
大『俺らそこら辺でなんか買ってくるわ』
と忠義くん達が買い物に行くと言い出して。
大『すぐそこのとこ。』
「はい、待ってます」
私は1人になった。
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あったかい 春の陽気。
ぼーっと桜を見ていたら、
頭に何か乗った感覚がした。
見上げると、
チューリップの花を1輪持つ 男性が立っていた。
「……？」
…顔が整っているその男性は、
目がとても大きくて、…どこか…
他の人とは違うオーラを放つ人だった。
そして すごく懐かしい気持ちになった。
「あなた、は……」
『…生存確認や。』
ピンクのチューリップを私に手渡し、
熱燗を片手に、時おり飲みながら帰って行く。
行ってしまう。
おだやかなその声は、
知っていたような感覚がした。
「待ってください、あの」
大きめに声を出すと、その人の足が止まった。
「…ありがとうございます……！」
絞り出した言葉はそれくらいだけど
ちゃんと届いたはず。
振り向かず、手だけ上げて、ヒラヒラさせる
彼の その名前を
わたしは、知ってる。
「す ばる さん……、…すばるさん！」
足を止めてくれた。
「ありがとう！！」
最後に見せてくれた笑顔は、
舞い落ちるさくらの花びらと、
やけにマッチングしていて美しすぎたよ。
いつかまた どこかで…。そんな希望が心に広がった。
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あすとなん(プロフ) - 少し時間は経っていますが、ここ数日でゆったり作品を読みました。素敵な作品で最後の方はめちゃくちゃ泣いてしまいました…夢小説でここまで泣いたのは初めてです。言葉選びなど何もかもすごく綺麗で出会えてよかったと思えるような作品でした！ありがとうございました (2023年4月16日 0時) (
レス) id: 98485f7244 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - Twitterから来てみました！大号泣です。作品でここまで泣いたのは初めてです。素敵なお話しありがとうございました。 (2020年12月28日 18時) (レス) id: d174202b3c (このIDを非表示/違反報告)
madokaarashi191(プロフ) - 何日か前から読み進めてきました。最終章はずっと泣いてました、泣素晴らしいお話です！また読みます！頑張ってください！ (2019年8月18日 0時) (レス) id: cda95919fc (このIDを非表示/違反報告)
りん - 今日初めて読みましたがものすごく感動しました、、泣 涙が止まりません、、、こんなに素晴らしいお話を書いてくださってありがとうございました。!!これからも頑張って下さい！ (2019年6月8日 16時) (レス) id: b994653d42 (このIDを非表示/違反報告)
とここ。(プロフ) - とっても素敵なお話でした！途中から涙が止まらなくなりました！！また後で読み返しに来たいと思います！こんなに素敵なおはなしを、ありがとうございました！！！！ (2019年5月1日 12時) (レス) id: 9d6320b50f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∞くらゆい∞
| 作成日時：2019年3月13日 22時
