ぶたとクマの物語 -More stories-

17.求めるもの ページ17

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大『結婚してから、俺らこんな言い合いしたこと…初めてちゃう？』
「んぅ、…っはぁ、」



絡み合う吐息の中で、忠義くんが笑った。




「っ、離し…」
大『離れてみれば？』






そう言って、抱く腕に力を入れる。…こうゆう人だ。忠義くんって。いつもいつも余裕ある顔して…「は…っ泣」いつも泣くのは私なんだ。






大『泣いてほしいわけちゃう…』




どうして私ばかりこんなに苦しいの？




大『横山くんと、気持ちよかった？』






助けに来てほしい。横山さんに。
唇が離れると、銀色の糸がふたりを繋ぐ。
彼の身体を弱々しくも出せるだけの力で押し返すと、







大『…ほんまに取られそ…っ』








ひどく顔を歪めていて、今にも消えそうな声でそう言った。
そんな彼をにらむと






大『俺から離れんといて…ずっとそばにおって…』





また抱き締められたけど、さっきのとは違うくて、
優しく。それから弱々しく。







私は彼の腕を退けて、見上げた。





大『横山くんのとこ行くん…』
「だったら」
大『むり。』
「どう無理なんですか」





強気で返したら、切なげな表情を浮かべるんだね。
初めてみる表情ばかりで、戸惑ってるのは事実。





でもそれより私は横山さんに会いたいの。そばに居たいの。




「忠義くん。まだわからないんですか？
私は…もう安心したい。愛されたい」





無償の愛も、ずっと注げるわけじゃない。限りがあるの。





「わたしは疲れました。」





そう言って、なりふり構わず部屋をでた
忠義くんが私を呼ぶ声聞こえたけど、もうそんなのいいの
私が求めてるのは今一つだけ。









・・・・









横『待ってた。』







横山んの家につくと、すぐにそう言って抱き締めてくれた。
ほらね…すごく落ち着く。






横『ズルいな、俺。』
「え？」
横『今も昔も。』







横『Aが思うほど、、俺ええ男ちゃうで？』
「なん…っきゃ」






いきなり押し倒されて、変な声が出た。



横『…大倉と上手くいってないの知ると利用したくなるねん』




上に横山さんと天井。




横『今がほんまに、今度こそチャンスやなって、思ってるよ』





そう言い、深く口付けを…私に与えて…。









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