にかちゃんだよ〜とは言えない③ (ページ7)

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ハチワレちゃん⑥ ページ7

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「みーちゃん。帰るよー。」

いつの間にか眠っていた私はにぃにのその声で目を覚ました。

眠る前の最後の記憶はゆり組さんが離れたあと。机の脚のあたりに寝たらそこまで目立たないかもと思って眠っていたら、結構時間が経ったみたい。

猫がよくしている伸びのポーズをとると、身体が伸びていい感じだ。

「おつかれさまー。何時？」

「10時だよ。」

「まじで喋ってんじゃん！」

気付かなかったけど、たまさんもいた。にぃにが先に事情を話していたらしく、声がAちゃんだから本当に猫になっちゃったんだと、頭をなでなでされる。

そしてなぜか手を差し出されて。

「たま、犬じゃないから！」

「猫か！」

お手のつもりだったらしい。すぐにごめんねーと今度は背中なでなで。なでなでされると気持ちよくて眠くなっちゃうんだよな。ふわーっとあくびが出る。

「お、誰か来た？チュール開いてる。」

「ああ、翔太くんが食べさせてくれた。」

「渡辺？」

「そうだよ。」

餌と書き置きを袋に入れて持ち帰ろうとしたとき、ゴミ袋用の袋に空のチュールがあるのを見つけたにぃに。私が翔太くんの名前をあげれば、眉間にシワが寄ったように見える。

「あとはSnowManのメンバーが何人か来てなでてくれた。」

「みんな猫好きなんだねー。」

たまさんがニコニコしているのとは対称的ににぃには相変わらず渋い顔。猫の姿だから別にいいよね。人間だったらそりゃ渋くもなると思うけども。

「じゃあおつかれ。」

「おつかれー。Aちゃんもばいばーい。」

「にゃー！」

たまさんと別れ、抱っこされてにぃにの車へ。

「明日戻ってるといいなー。」

「戻ってないとやばいよ。というか、こうなった原因とか心当たりあんの？」

「あるわけな……。いや？ある？」

昨日の行動を振り返ったところで、今までに食べたことないお菓子を口にしたことを思い出す。

事務所の誰かがお取り寄せしたらしい海外製のお菓子。ご自由にどうぞと書かれていたので1個もらって食べた。食べたことない味だなーってくらいしか思ってなかったけど。

「それだったら他にも猫になってる人いるよね。」

「何個か種類あって。私、1個しかなかったやつ食べたんだよ。」

「……それはもう、それじゃん！」

翌朝。

「よかったぁー！」

ちゃんと人間に戻っていた。……にぃにがちょっと寂しそうな顔をしていたことは触れないでおいてあげよう。