にかちゃんだよ〜とは言えない③ (ページ32)

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試される国王ページ32

sideみやだて

今日のラヴィット、久しぶりにAさんがマネージャーとして付いてくれていて。オレとしてはいつもどおりで本番に臨んでいたのだけれど、どうやら周りから見たらそうではないらしい。

「舘様今日はえらく飛ばしてません？」

「そうやで涼ちゃーん。」

MCの川島さんと半ば火曜レギュラーの山添さんにCM中突っ込まれるし、その次のCM中には、

「……なるほどな。まあがんばりや！」

理由が分かったらしい山添さんがよく見るニヤついた顔で激励され。しまいには、

「お久しぶりですー。今日涼ちゃんめっちゃ頑張ってたんで褒めてあげてください？」

「お久しぶりです。ふふ気にかけてくださってありがとうございます。わかりました！」

「えーとな、…………。ほな、よろしくー。」

「は、はい……。」

番組終了後、山添さんの方からAさんの方に歩み寄ってなぜかオレの話をして。最後の方はAさん以外には聞こえないように小声だった山添さん。それもう怪しさしかないんだよね。

Aさんの表情からしてなんか変なこと言われたんだなっていうのがよく分かる。

「変なこと言われなかった？大丈夫？」

「普通のことしか言われてないので大丈夫です！……ちょっと気恥ずかしいんですけど。」

「大丈夫じゃなくない？」

「いえ本当に大丈夫で！……涼ちゃん、今日、すごくよかったよ？」

えっと？少し時間止めてほしい。

これまで宮舘さんで最近になって舘様と呼んでくれるようになったAさん。それがなぜか先程「涼ちゃん」と。

しかも何？その後に続く言葉、一歩間違えれば……って言葉じゃない？そう聞こえちゃうのはオレにやましい気持ちがあるせいかもしれないけれど。

「山添さんか……。」

「でもちゃんと本心ですからね、私の。面白くてよかったのは本当です！」

少し赤くなって頬も少し膨らんでいるように見えるAさん。

えっ、無理だけど本当に時間止めてほしい。

先程からかわいらしいAさんしか目に入らなくてすごく困るのだけれど。目が釘付けになるとはまさにこのことではないだろうか。ここが誰もいない廊下で本当に助かったよ。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

「山添さんあなた、舘様焚き付けて遊んでません？」

「やだなー川島さん、人聞きの悪い。遊んでないですよ、応援してるんです。」

「応援って……。まあ舘様も分かりやすく張り切ってたけれども。」

「でしょ？」