にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ37)

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ゲームじゃない① ページ37

sideらうーる

僕としょっぴー二人で出演しているバーガー屋さんのCM。今回新作の撮影ってことで僕達ふたりとマネージャーのAさんでスタジオに。

「Aさん、タイピング速すぎない？」

「慣れてると違うな、やっぱ。」

外でやっても問題ない仕事であればこうしてパソコン仕事をしているAさん。もちろん、実際に撮影しているときはちゃんと見ててくれている。

真剣な顔でキリッとしていてとてもかっこよく見える。いつだかのイケメン診断のアプリがA判定出したのも今なら分かる気がする。

それに慣れてない僕らからしたら、タイピングの速度が段違い。ここがアイドルとマネージャーさんの違いだなって思ったり。あ、でも阿部ちゃんは結構速かったかも。

「おいしそうですねー。」

「うん、めっちゃおいしいよ！Aさんの分もあるらしいから食べて！」

ちょうど作業が終わったらしい。置いてあったスタッフさん向けのバーガーをずいっとAさんに差し出す。目がキラキラしていてかわいいなぁ。

いただきますと手を合わせたあと、思ったより豪快な一口。しょっぴーもちょっとびっくりしている気がする。

「んーやっぱこれですねー。」

「いい顔ーCMでも使えそう！」

本当にいい顔、とっても美味しそうなんだよね。

「……かわいい。」

ポロっとこぼしたのはしょっぴー。前々から思ってたけど、しょっぴーってAさんと話すときはそっけない感じもするけど照れてるよね。

そして多分そういう意味で好きなんじゃないかなって。しょっぴーが自覚してないかも知れないから直接聞かないけど。

「最近私にかわいいっていうゲーム流行ってるんですか？」

「え？」

「この前は阿部ちゃんに言われたからそっちこそって言ったんですけど。」

「そんなゲームはしてない！……本当に思ったからさ。」

阿部ちゃんなら素で言いそうだな。でもしょっぴーはそう簡単に言わなさそうだからちょっと疑っちゃったのかも。

というかしょっぴー、助けを求める目で僕を見てくるんだけど。

「ゲームとかしてないのは本当だよ。」

「……分かりました。でも言わなくていいですからね？ありがたいことではあるんですけど。」

助け舟を出したらAさんも分かってくれたみたいだけど、言わなくていいって言われちゃった。

「じゃあ言い納めしときます、Aさんかわいいです！」

「ありがとうございます。……本当に最後ですよ？」