にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ36)

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謎の攻防ページ36

sideいわもと

SnowManのメンバーから2人ずつが出演している、ラジオのレギュラー番組。今日はオレと阿部が担当。

そしてブースの外には舘さんとAさん。気づけば93年会のメンバーが集結していた。

時々ブース外の舘さんとAさんに目をやると、オレらの話に笑っていたり、二人で何やら話していたり。その会話の内容まじで気になるんですけど。

そんな舘さんにちょっとだけラジオに参加してもらったりして、このペアの収録が終わる。

「それで身内感が強かったんだ。」

「昔からの付き合いなので皆さんご存知で。」

ブースから出ると、舘さんとAさんが何やら話している。そこだけ切り取ると、キスマイ兄さんのことだろうか。その話の前の部分が非常に気になる。

阿部はそんなふたりを見てなぜだか笑顔になって。

「ふふ、やっぱり最近舘さんとAちゃん仲いいよねー。かわいいー。」

「かわいい？」

「そ、かわいい。」

「Aさんのことだよね？」

「えーどっちもだよ？」

阿部、ストレートに言ってんな。舘さん、オレもかよ！と言ってるけど、残念ながらオレもそう思う。

それよりもAさんだ。かわいいって言葉に、自分が言われたの？みたいな顔してて、全然自覚がないみたいで。

キスマイ兄さんから言われ慣れてるものだと思っていたけど……というか、キスブサの練習台になったことで聞きすぎてスルーしてしまってるのかもしれない。

「阿部ちゃんのほうがかわいいですよ、負ける。」

「そんなことないよー。ほら、そのほっぺた。」

「ほらその言い方！ほっぺたって！」

なぜかAさんが阿部に対抗してそっちもかわいいぞの言い合いになって。傍観者のオレからすればふたりして何やってんだという気持ちと、やっぱかわいいなっていう気持ちがせめぎ合う。

舘さんも微笑ましそうにそのやりとりを見ていて。あーこれが平和ってことなんだなって。

「こんちはー！……って、阿部ちゃんとAさん何言い合ってんの？」

「そっちのほうがかわいいでしょ？ってかわいいの押し付け合い。」

「ほんま何かわいいやり取りしてんねん。」

次のラジオ担当のこーじがやって来た。相変わらずの阿部とAさんに、最初は驚いていたこーじも微笑ましいなぁって顔がほころんでいる。

「あ、こーじくん。……よし休戦です。」

「いいよ。……ふぅ。手強いなぁ。」

……休戦ってまだやるんだ。