にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ30)

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波乱の93年会① ページ30

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「すごっ！舘様について行けるなんて！」

「Aさんつよー。」

ただいまとある個室居酒屋。SnowManのいわゆる93年会、そちらのお食事会に参加させてもらっている。本当はそんなつもりはなかったんだけど。

遡ること2時間前。

仕事が終わって、帰りにいちご大福でも買って帰ろうかなって思って荷物を片付けていたら。

「Aちゃん、今からって時間空いてる？」

「予定はないですけど……。」

「もしよかったらひかると舘様とご飯食べに行かない？」

阿部ちゃんからの突然のお誘い。阿部ちゃんの後ろでそのふたりがひょいと片手を上げてニコニコしている。

なんでも、93年会やるからどうせなら私も誘うか！ってなったらしい。確かに93年生まれだけれども。

今日はにぃに泊まりの仕事で家には帰ってこないし、どうせいちご大福買うだけだから行ってもいいかな。

阿部ちゃん一人ならともかく、ひかるくんと舘様もいるのならそれこそメンバーとマネージャーのお食事会でしかないし。

「阿部ちゃんとひかるくんは進んでないね？」

「ほんとだー。」

そして今に至る。私と舘様は同じペースでほぼ顔色を変えずにグイグイ飲んじゃってる。ただ、お互いいつもより砕けた感じになっているので、酔っているのは確か。

新しいアルコールが来るたびに乾杯……というかPartyTimeとグラスをコツンとさせながら飲んでいる。

「ちゃんと飲んでるよっ！ふたりがぁはやいだけっ！ねえひかる？」

「そーだそーだぁ。」

「ふふ、お二人ともかわいいですねぇ。」

「そうだね。でも、これ以上飲ませるわけにはいかないね。」

私たちより量は少なくても人によって許容量は違うからね。自分の限界点まではまだまだだけど、そろそろお開きかな。

店員さんの呼び出しボタンをポチッと押して会計をお願いしよう。

「オレが払うからふたり起こしてもらっていい？」

「ありがとう、舘様。」

いつの間にか眠っていたふたり。肩を叩いて起こしにかかる。阿部ちゃんは割とすぐ目を覚ましてくれた。

さてひかるくん。片方の肩では起きなかったので両方の肩をとんとんしてみると。

「んー……。」

ギュッ

唸ったあと、特に目を開けることもなく突然引き寄せられる。だ、抱き……！

「ひかるー！！！」

完全に目が覚めたらしい阿部ちゃんが引き剥がしてくれた。