にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ24)

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sideにかいどう

今日はAもオレも事務所で仕事があったから、一緒に帰ろうって朝に話して、現在夕方。オレのほうが先に終わったから、いつものように車で待機。

事務所のほとんどの人がオレとAの関係を知らないから、堂々と一緒にいることはないようにしている。前までは仕事のつながりがあったけど、今は担当外れちゃったし余計にね。

コンコンコン

車のドアをノックする音。窓の外を見るとAだった。

オレが乗ってるってことはカギがかかってないわけで、わざわざノックする必要ないんだけどな。突然入ってきたらびっくりするからとかかな。そんなことないんだけどさ。ドアを開けて話してみる。

「どしたー？」

「にぃに、ちょっと運転したい気分だから代わって？」

「え、運転すんの？……あ。」

Aの後方、オレの視界に見覚えのある人影。以前もまた、仕事以外のところでこうして一緒にいるところを見られた人物。

あっちも口を開けて固まってて、Aはオレの視線の先を見るために振り返った。

「舘様……。」

SnowManの宮舘。あれ、A、前は宮舘さんって言ってなかったか？いつの間にか舘様呼びに……と言っている場合じゃない。

「お、お疲れ様です！それでは失礼し」

「ちょっと待って。」

見なかったことにしようとしてくれたのか、挨拶してすぐその場を離れようとしたところを呼び止めた。

「……え、ご兄妹？」

「そう。Aはオレの妹。」

「でも名字違うってことは、Aさん結婚されて……。」

「してないしてない！ただの偽名だよ。」

「なるほど……よかったです。」

「よかった？」

「特に深い意味はないです、はい。」

Aが運転したいというのを受け入れ、そしてオレたちとしてはヤバイところを見てしまった宮舘は車に乗っけて。男二人、後部座席に座った。

適当に走ってとAにお願いし、もう誤魔化してもボロが出るだけだろう、そう思って真実を話す。もちろん、誰にも口外しないことはきっちりお願いして。

バレたくなかったのはもちろんそうなんだけど、なぜかホッとしている。秘密を抱えるのってもどかしいところもあるから、共有者が増えたからかな。しかも宮舘ならきっと守ってくれる。

「前Aさんと居酒屋で会ったときに二階堂くんいましたよね？」

「……え、気づいてたの？」

「いえ、今思えばってやつです。」

……う、宮舘鋭いな。