にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ22)

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距離を縮めたくて② ページ22

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SnowManメンバー全員で靴のウェブCM撮影。マネージャーだからもちろん同行しているんだけど、私はというとCMで使われる予定の厚底スニーカーを履かせてもらっていた。

もちろん私からお願いするなんてしてないんだけど、靴屋さんの担当さんが履いてみませんかって言ってくださったので履いてみていると。

監督さんにプレゼンされている人という役をもらってしまった。メンバーみんなの説明も聞いてみてどれを買うか決めることを告げると、なぜかプレゼントしてもらえることになり。

「これは熱入りそうだな、藤堂さんありがとうございます。」

「い、いえ、大層なことはしてないです。」

監督さんにも感謝されてしまった。思っちゃいけないんだろうけど、SnowManって案外ちょろい……？

そして撮影が始まる。カメラさんの斜め後ろで邪魔にならないようにしながら皆さんのプレゼンを聞いているわけだけど、……意外と近いんだ。

少し離れたところにいても近づいてくる感じ。割とはじめの方からキスブサのマイコスイッチ入れ、気持ちを無にしてスニーカーを見つめて声だけ聞く態勢に入った。

どうしよう、本当どれにするか悩む。

「Aさん、決まった？」

さっきのプレゼンでも子犬みたいにかわいかったラウくんがしゃがんだ状態で尋ねてくれた。……うん、やっぱりかわいい。

みんなが持っているスニーカーをもう一度見渡して決心した。決まりましたと伝えれば、ふっかさんがこの体勢で待とうって言いながら、手のひらにスニーカーを持って目を瞑った。

「ならAさんが気になったスニーカーの前に立ってもらおうか。」

ふっかさんの体勢とひかるくんの案が通った。みんな目を瞑って手のひらにスニーカーというスタイル。9人並んでやってるもんだから、ちょっと笑っちゃいそうになる。

もちろん大真面目にやってるのは分かってるからなんとか自分の中で押し殺して、足音を立てないように選んだスニーカーの前に立った。

「これにします、阿部ちゃん。」

「えっ！？ほんと！？やったぁ！」

私が選んだのは阿部ちゃんのスニーカー。阿部ちゃんは自腹を切ることになるのに嬉しそうで。

にぃにのメンカラ緑だからか、私も緑が好きになったんだよね。だからふっかさんのと最後まで迷った。

「はい、どうぞ？」

阿部ちゃんが頭をこてんとかしげて差し出してくれて。

やばい、この店員さんあざとい……！