にかちゃんだよ〜とは言えない② (ページ19)

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君との始まり⑨ ページ19

sideらうーる

デビューのタイミングでマネージャーさんが変わる。そう聞いたときは、前の担当さんにはたまに勉強見てもらったりしていたから、離れるのが寂しいなって思いが強かった。

そして新しく担当になったのがAさん。

「Aさんって、マネージャーになる前はどこの部署にいたんですか？」

「マネージャーとかじゃなくて何か作ってる系のところで、キスマイ関係のことやってました。」

「本当に全然違うことやってたんですね！しかもキスマイ兄さん。」

ふと以前の仕事が気になって聞いてみたら、マネージャーとは全然違う仕事で。しかもSnowManが何かとお世話になっていたというキスマイ兄さん担当。

滝沢さんに異動を告げられたときは不安でたまらなかったんだって。そのことははじめの挨拶でも触れてたな。

「キスマイのみなさんに励ましてもらって決心ついたんですよ。今は覚悟決めてよかったと思ってます。」

「キスマイ兄さんが、そうなんだ……！良かったって言ってもらえると嬉しいな。」

「今まで年下の人と関わること少なかったんで今とかすごく新鮮ですね。」

それにちょこちょこ勉強を見てもらったりしてる。SnowManの中で先生といえば阿部ちゃんだけど理系寄り。かくいう自分も理系だと思ってる。

だから文系らしいAさんにはそっちの方を教えてもらってて、住み分け出来ているんだよね。

「なんか分かったかも！ありがとう！」

「いえいえ。」

「オレも分かった気ぃするで！」

「いやこーじくんはちゃんと聞いてなかったでしょ。」

「あーバレてた？」

隣で話を聞いてはいたこーじくんだけど、明らかになんのことだか分かってない反応と顔だったからね。

「ただとぅどぅさんの声聞きたかったんよー。ごめんな？」

「別に謝らなくてもいいですよ？」

というかこーじくんの、声聞きたかったって何？Aさんの声が好きなの？……まさか声限定じゃなく？思わずじーっとこーじくんを見つめる。

見た感じ照れてる気がするなぁ。そもそもが女の人としゃべるときほとんどこんなんだから、それと一緒なのかなぁ。

「ラウールさん？」

「……わっ！なんでもないです、はい！」

小難しい顔をしていたせいか近くにAさんがいたことに気付かなかった。

突然でビックリしたというドキドキ、そして今までにないくらいの距離の近さに対するドキドキ。そして好きだからのドキドキ。

このドキドキはどれになるんだろうね？