にかちゃんだよ〜とは言えない① (ページ8)

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お兄さんたちページ8

sideにかいどう

「はあーまじ慣れないんだけど。普通、妹のことちゃん付けで呼ぶ？」

「言うてAちゃんが事務所入ってから結構経つよ？」

「家じゃAって呼んでるからそこ関係ないのよ。」

「家でもちゃん付ければいいじゃん。」

「やだー、昔からAはAなのー。」

今日は19時に帰るからいつもの場所に、と直接伝えたあと。控室にたまと移動してきた。

事務所内では兄妹であることがバレないように名前にちゃんを付けて呼ぶようにしてるんだけど、どうも素でAと呼んでしまう。

でもあっちは事務所じゃニカさんってちゃんと呼んでるんだよな。家じゃにぃにのくせに。

「お、ニカ、たま。Aちゃんには会えた？」

「会えたよー。」

「よかった。……そういえば、さっき佐久間と阿部に会ったんだけど。」

あ、ミヤが声かけてくれたから会えたのかな。ありがたいね。

そしてミヤの口から佐久間の名前が出たとき、たまのまゆ毛が少しピクッと動いた。……阿部もいるから二人きりじゃないんだけどな。

「Aちゃんが前までキスマイ担当だったこと知らないみたいでね。めっちゃ驚いてた。」

「A、言ってなかったんだ。」

たまの方をちらっと見れば、なんだそのことか、というような感じで、一瞬まとっていた佐久間へのライバル意識のようなものがすぐに消え去った。

ほんとたまってミヤのこと好きだよね。

「あとSnow Manから結構好かれてるっぽいからなんか安心した。」

「Aが？」

え、なんかイヤなんだけど。……取られたくないっていうか。

「うん。ニカの妹って知ったらどうなるか気になるくらいにはね。」

「え、面白そうじゃん。バラしに行っちゃう？」

「だめだよーたまー。怒られるのはオレたちー。」

相変わらずたまは面白そうなことには首を突っ込みたくなるようで。それをたしなめるのがミヤなのも変わらない。

でもさ、オレもちょっとバラしてみたいなって思った。そしたらさ、むやみにAに手を出そうなんて思わないじゃん？

「ニカもだめだよ？」

「オレ何にも言ってないよ？」

「顔に出てるからね？」

「鋭いな、ほんと。」