にかちゃんだよ〜とは言えない① (ページ40)

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朝のうさぎさん① ページ40

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宮舘さんと佐久間さんが交代で出演している朝の番組。普段はサブの方が付いてくれてるんだけど、その人が有休ってことで、今回初めて私がつくことになった。

今週は宮舘さん出演週。いつもよりめっちゃ早くに家を出て宮舘さん家にお迎えに上がる。家の近くになったらハンズフリーでお電話して。

着いて1分もしないうちに宮舘さん乗車。

「おはよう。Aさんがラヴィットって初めて？」

「おはようございます。初ですよー。どこかに寄りますか？」

「直行で大丈夫だよ。」

「はーい。」

朝のまだ車通りが少ない道路をすいすい走っていく。ちなみに今日の運転のおともの音楽は眠気が覚めるようなクラシック。

お気に入りは今流れているチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。壮大な感じがして、朝日を浴びながら運転してるとなかなか気持ちがいい。

「この曲って朝用？」

「分かります？眠気覚ましにちょうどいいんです。……違うのがいいですか？」

「ロイヤルな感じがしてちょうどいいなと思って。」

「それならよかったです！」

言われてみればロイヤル、「舘様」に似合うかも。後部座席で腕を組み目を閉じて聴いているさまはまさに「国王」。我ながらいい音楽をチョイスしたな。

そうこうしているうちにテレビ局に到着。ラヴィットの楽屋は私より舘様の方が詳しいので、地図は教えてもらっていたけど舘様の後をついていく。

「ああそうだ、さっきのクラシック……朝用か聞いたときの曲ってタイトルなんだっけ。」

「チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番です。」

「おお即答。ありがとう。」

楽屋入り直前に宮舘さんの質問に答えて私は本番まで別室待機。

……やばい、これだけなのに疲れた。人乗せて運転は私の担当上ほとんどやらないし、朝早くからは出ないし。サブさんすごいわ。

そして本番。番組スタッフさんに紛れてカメラ側に立たせてもらう。朝早いのに宮舘さん素晴らしいロイヤル。

番組スタッフさんには〇〇さんの代打で来ましたとは伝えていたけど、珍獣を見るかのような目で見られているのがめっちゃ気になる。

すると一人のスタッフさんが話しかけてきて。

「いつものマネージャーさんだと聞きづらいんですけど……舘様って普段からああいう感じなんですか？」

「そうですよ。プライベートまでは知らないですけど。」

「やっぱり素なんですね……。」

気になるか、やっぱり。でもあれが素なんだよなぁ。