にかちゃんだよ〜とは言えない① (ページ25)

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お兄さんの憂鬱① ページ25

sideにかいどう

「はぁー……。」

「あら深いため息。」

事務所内のとある部屋。ため息をついたのはオレ。そして目の前にいるのはミツ。なぜオレがため息をついているのか。それは至極単純だ。

「SnowManとAちゃんがお食事会するって聞いてからずっとこんななんだよ。」

「あれま。メンバーとマネージャーって普通じゃん？」

「それがニカにはメンバーに見えてないんだよねぇ。」

もう一人はたま。何故かAと鉢合わせする機会が多いらしく、よく誰々とAちゃんが一緒にいたよーって目撃情報を上げてくる。

もちろん仕事だから一緒にいるのは分かってるんだけど、一瞬疑ってしまうのはもう病気みたいなものだ。

「だって今日だよ？……あーむり。手に付かん。」

「今日なの？さっきふっかから聞いたけど、MV撮影って言ってたからそんな暇ないんじゃない？」

たまからまた新たな情報が展開される。MV？その後に食事会とか疲労困憊でそれどころじゃないだろう。オレの勘違い？

メッセージアプリを開いて確認してみるけど、やっぱり昨日「明日メンバーと食事会だから遅くなる」って来ている。

「となると別の誰か……。」

「なわけないでしょ。MV撮影ならマネージャーのAちゃんもべったりよ？」

ミツから即座に否定される。ならなんだよー。やっぱりAの勘違い説濃厚じゃん。むう。

気になって一応「スノ、MV撮影なんだって？」とメッセージを送ってみる。すぐに既読がついた。休憩中だろうか。

そして何やら画像が送られてきた。

「うっわ、何だこれ、中華？」

「え、なになにー。」

テーブルいっぱいに並べられた中華っぽい料理たち。たまとミツもひょこっと顔をのぞかせてその写真を見る。

うまそーと呑気に声をあげてるたま。食いてーなんて言ってるミツ。オレはというとやっぱり食事会？という謎が渦巻いてもうわけわからん。

AMVで食べる中華

そしてこのタイミングで補足のメッセージが。この補足で瞬時に理解したミツがニコニコしながら俺の脇腹をつついてくる。

「そういうことか！なら本当に仕事の一環じゃん。良かったねニカ。」

「だーっ！Aめ、なんであんな紛らわしい文面で送ってくるんだよ。」

「あはっ！ガヤとの打ち合わせ通り、うまく行ったわ。」

「たまとガヤの差し金かよ！」

ガヤの耐性つけよう会、まじでやってんじゃん……。