誘ってみよう��🍆 ページ10
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阿部くんがユニフォームを購入したあと、ゲートをくぐり球場内部へ。
席につく前に売店でおつまみを買う。唐揚げとウインナーは買っておきたい。姉のいつもの観戦のお供だ。
そしていよいよ今日の席へ。今回も(というか毎回だけど)三塁側内野席。姉は席に座るといつものように応援グッズを取り出しやすい位置に置き、ビールの売り子さんが来ると早速手を挙げて。
その流れるような動きに阿部くんは「これがプロか」なんてつぶやいてた。いや、プロではないと心の中で突っ込む。
「えーと、二人とも飲みます？」
「はい飲みます！」
「ならオレも。」
オレと阿部くんの分もまとめて注文してくれた。そしてこの売り子さんから何回も買っているからか、今日はお友達と？なんて聞かれている。
……阿部くんがポカンとしてるよ。
「売り子さんと知り合いなんですね。」
「何回か来てれば覚えてもらえますよー。」
そう言いながら今日の一口目のビールを飲む姉。
……うん、これはどう見ても阿部くんのことなんとも思ってないな。オレの予想通りだ。だいぶホッとした。
試合前恒例のつば九郎タイムを楽しんだあとは、ついに試合が始まる。
今日ももちろん、俺がファンの巨人坂本選手、姉の推しであるヤクルト村上選手、そして阿部くんがユニフォームを買ったヤクルト中村選手はスタメンで登場。
ビールを飲みつつおつまみを食べ、3人で雑談しながらの野球観戦。やっぱり楽しい。姉は早々に1杯目のビールがなくなり、追加注文。……阿部くん驚いてるって。
そして売り子さんからまたも何か聞かれている。
今度は何を話しているのか分からなかったが、「やだーちがいますよー」って言ってるのから察するに、恋人なのかと聞かれたんだろう。
もうすでに阿部くんと初対面だったテレビ電話のときくらいのほろ酔い度になっているな、姉。
「ちょっとお手洗い行ってきます！」
「行ってらっしゃいー。」
試合が3回くらいまで進んだところでオレは一旦お手洗いへ。……やっぱりアルコールってお手洗い近くなっちゃうな。
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作者名：みどりの | 作成日時：2022年8月22日 21時
