私たちだけの秘密�Ｎ� ページ35
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那須にAさんと付き合うこと、そして秘密にすることを話して。那須とAさんを見送ったあと、オレは佐久間の家にお邪魔していた。
……実は、佐久間に話したんだよね。話せるときが来たら、なんて言ってたけど、その日のライブのあと、バレちゃって。佐久間は秘密にしていることはしっかり守るから正直に話した。
那須にも佐久間が知っていることは、口が固いことも含めちゃんと話してある。
これまでの片思い期間も含め、相談に乗ってもらったり慰めてもらったりしてたから、バレなかったとしてもきっと話していただろう。
「そういえば、いつから好きってなったの？」
「……んー。佐久間も一緒に会ったときは特別な感情はなくて。」
「うんうん。」
「ただ、画面越しに初めて見たときに那須のお姉さんってどんな人だろって、それだけだったんだけど。」
「うん。」
「気持ちが変わってったのは那須とAさんと3人で野球観戦に行ったときかな。」
あの日のことを思い出す。俺に傘を差し出してくれて、乾杯して、お土産ももらって。あのときの笑顔を思い出すと胸が温かくなってくる。
「すごく、いい顔してる。幸せそうでよかった。」
「え、そう？……なんか照れる。」
「にゃはっ！ほんといい顔だよ。」
佐久間がニコニコしながらオレと肩を組んでリズムに乗った。
「♪〜」
昔バックについていたキスマイ兄さんのとある曲をハミングする佐久間。明るい王道のラブソングって感じの曲で、頭の中で歌詞を思い出す。
未来の二人がどんな風になっていくのかはまだ想像できない。
でも、オレのことを好きといってくれた君を後悔させたくない。
いつかきっと、秘密にしなくてよくなる日まで、いやそれより先もずっと。
絶対に君を離さないよ。
fin.
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作者名：みどりの | 作成日時：2022年8月22日 21時
