私たちだけの秘密�［� ページ33
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……あー。やばかった……。
緊張が解けたのか、ライブ終了直後以上に身体が重たくなった。
Aさんに告白したあと、もう一回抱きしめたんだけど、これ以上は歯止めが聞かないと判断したのか、オレの中の警戒アラートがウィンウィン鳴り響いて。
すぐさま身体を離して、どストレートにこれ以上は歯止めが聞かないと言うと、Aさんは顔をさらに赤くして。
……かわいいから本当にやばかった。
今日はさすがにってことでタクシーを呼んでお家に帰したんだけど……。
本日何回目かのシャワー。最初は頭を冷やすために冷水を浴び、頭をシャキッとさせる。少し冷静になれ、自分。
浴び終わると、頭が働くようになってきた。
まずはAさんに。
勝手に呼び出してごめんなさい、無事にお家に着いたかの確認をしたあと。
この件、確実に那須……弟にはしっかり伝えておくべきだ。隠すわけにはいかない。だから明日……は難しいかもしれないから、早いうちに直接那須に話したい、と。
そこらへんをやり取りで伝えていく。
弟には迷惑かけられない、分かったと返答が来たことで、今度は那須の方に。
明日以降でちょっと話したいことあるからいつなら空いてるから確認を取り。
那須もAさんも空いている日に行きつけの個室居酒屋へ予約を入れ、二人にもその旨を伝える。……ただ、那須にはAさんが来ることは言っていない。
「あれ、阿部ちゃんスッキリした顔してるね。」
「そう？」
「だって昨日帰るときめっちゃだるそうだったから。」
「あーたしかに、昨日は身体が重くてね。寝たら治った。」
「ふーん？……なんか怪しい。」
次の日もライブ。会場入りすると珍しく佐久間が先に来ていて、オレを見つけるなり飛んできて顔をじーっと見つめてきた。
嘘はついていない。昨日は身体が重かったし、寝たら治ったし。……まあその間の出来事が一番の要因なんだけど。
いくら佐久間でもまだ言えない。一番に言うべき相手に話して、それからどうするか考えると思う。
「話せるときが来たら話すから、ちょっと待ってて。」
「……ん、分かった。」
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作者名：みどりの | 作成日時：2022年8月22日 21時
