その関係ではいられない��🍆 ページ29
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Snow Manのライブが終わって、今はもう自宅の玄関。先に帰ってきていたらしい姉と母の声がリビングから聞こえる。
「ただいまー。」
「雄登もライブ行ってたんじゃん。」
「まあね。」
ライブ途中のMCでオレと浮所のこと触れられたし、なんなら阿部くんが手を振ってきたからね、振り返したよ。
「……じゃ、ちょっと片付けてくる。」
結構立ってたから疲れた、とこぼしながら姉が自室に入っていく。野球観戦じゃ座ってるのがほとんどだからな、慣れないよな。
母もこの年だとくるねーと言い膝をさすりながら同じく自室へ。
俺はと言うと、リビングのソファに腰掛けて、今日見たライブの感想や真似したいと思ったところ、参考になったところをメモしていく。
途中寄り道しないで急いで家に帰ってきたのも、記憶が鮮明なうちに書き出しておきたかったからだ。
スタートから1曲1曲、曲名と感想ひとことだけはライブ中にも書いていたから、それをもとにより詳しく書いていっていると。
バタン！
いつもなら音を立てないで開かれるはずの扉。姉が珍しく勢いよく開けていた。リビングに来たかと思えば、何故か目が赤くなっているし、手にはバッグがあるし。
「どうしたの？」
「……ちょっと。」
「ちょっと？」
「ごめん、雄登。」
「え、なんで？」
理由を聞く前に姉は玄関に向かってしまって、家を出た。
なんで目が赤くなってるんだ？
泣いてたの？
だとしたらなんで家を出た？
なんでオレに謝る？
わからないことだらけだ。
整理してみよう。そういえばさっき、母がライブ中感極まって二人して泣いてたって言ってた。でもそれはライブ中の話で。
そういえば、オレが帰ってきたあとに見た姉はなんだか無理をしているようにも見えた。……ライブで阿部くんを見てしまったから？
画面の中にいるのを見るのと、生で見るのは違う。それはよく分かる。
もしそうだとして、姉はどこに行ったんだ……？
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作者名：みどりの | 作成日時：2022年8月22日 21時
