君の声から始まった② (ページ15)

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気持ちの真実⑥青ページ15

side青

「本当に推しっていいわー、嫌なことも全部忘れられるし！」

「佐久間も推しのライブとかに行ってたの？」

「まあそんなとこ！」

佐久間からオレの顔から憑き物が落ちた気がするって言われたときは何言ってんだ？って思ったけど、このやり取りでなんとなくわかったような気がした。

……誰かがオレたちを推してくれてるように、オレもAさんが推しなんだってこと。

カラオケで歌ってるAさんを見て沸いてきた気持ちは、それまでそうだろうと決めつけていた気持ちとは違った。

付き合いたいとかそういうのじゃない。あの声が好きで、ただただ彼女の歌声を聴いていたい。

「佐久間のおかげで何か気づけたわ。……ありがと。」

「え、オレなんにもしてないけど……。」

戸惑う佐久間をよそに、今度はフータに話しかけた。

またAさんfeat.フータが見たいんだけど、って予定を聞き出す。

それ言ったらフータが「ついにオレの魅力に気づいた？」なんて言ってきたから、もちろん冷たくあしらったけど。

……でも、実際魅力には気付いていたよ。もちろん今じゃなくずっと前に。

歌が苦手と言っていたのにラップのときは少しウキウキしてたところとか、キレの良すぎるダンスとか。最近だと姉思いなところとか。

「翔太。」

「涼太。」

「悩みの館に招待しようかと考えていたけど、自力で解決できたようだね。」

「プッ……！俺相談者側かよ。」

そして幼馴染の宮舘涼太。とある番組の設定を引きづっているのか、館の主のようなロイヤルさ。

最近ほんと涼太がツボで(最近とか言ってるけど昔からだわ)、その設定で収録したときは笑いすぎた記憶しかない。

そうだ、Aさんが良ければ今度は涼太もカラオケに呼んでいいかな。めっちゃ聴いてほしい。あの双子デュオを。