気持ちの真実�ヅ� ページ14
side桃
「おはよーピーマンでありますでございます！」
「佐久間めっちゃ元気じゃん。」
とある番組の控室。あとちょっとで遅刻って時間になんとか間に合って、それが嬉しくてピーマン言いながら入ったら、翔太がめっちゃ笑ってた。
最近笑ってるところなかなか見てなかったから、なんかホッとした。
何があったのかは知らないけど、いつも真剣な顔してたんだよね。それにクロミちゃんのことじーっと見つめる回数も増えてたし。
あの笑顔の感じ、もとの調子に戻ったみたいだ。
「翔太もゴキゲンじゃん？」
「まーね、充電してきたから、昨日。」
お、充電？推しに会えたのかな？深堀しないほうがいいかなと思っていたら。
「そうそう、俺の美声のおかげだよ。」
「ちげーよ、アンタのお姉さんのことだわ。」
まさか推しってクロミちゃんのお姉さん！？
話を聞いてみると、クロミちゃん姉弟と翔太と阿部ちゃんでカラオケに行ったらしく。
そこで阿部ちゃんと結託して、「Aさんfeat.クロミちゃん」リクエストライブを開催したらしい。
なんだそれ、めっちゃ行きたいやつ！くそ、阿部ちゃんめ、オレを誘ってくれても良かったのに！
「マジであの声好きすぎる。」
「メインボーカルから褒められるなんて嬉しいわー。」
「ホント調子いいな……。」
「ごめんなさーい。姉ちゃんにはしょーたがベタぼれしてたって言っとくよ。」
え！？ベタぼれ！？思わず口を挟んだ。
「翔太って本当にお姉さんのこと好きだったの！？」
「違う！……って言うと語弊あるな。歌い手として好きってことだよ。」
「あーなるほどー。確かにね、わかる。」
そうそう、あの声、いい声だった。ウンウン頷きながら、クロミちゃんの頭をなでなでする。
わーいさっくんに褒められたーって、本当かわいいなこいつ。
もちろん、褒めたのはお姉さんだよ、って言ったけど。
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作者名：みどりの | 作成日時：2022年8月14日 21時
