君の声から始まった② (ページ13)

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気持ちの真実④緑ページ13

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前奏が始まり、二人ともそれぞれマイクを持ち、立ち上がる。双子デュオだ。ルックスはいいし、こんなアーティストいそうな気がしてきた。

そしてAちゃんが歌い出す。記憶の中と同じ、切なく美しい声。

2番に差し掛かり、今まで聴いたことのない部分になった。歌詞を詳しく知らなかったけど、ジーンと染みてくる。

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と、いきなりのラップ。そこからはバトンタッチしてクロミちゃんが歌っていた。二人の言う、「いつものところ」とはラップの部分らしい。よくあるfeat.〇〇形式っぽいね、これだと。

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そして曲が終わった。自然と拍手が起こる。

……このあとに歌いたくないな。しばらく噛みしめていたい。次は翔太が歌ってくれるかな。そう思って待っていたら。

「今度これ歌ってよ。」

「え？私？」

「そ。……いいよね、阿部ちゃん。」

「全然いいよー。俺はこの次の次くらいで。」

翔太がAちゃんにリクエストしていた。そしてカラオケ画面に曲名が映し出される。

「お、feat.クロミちゃんかな？」

「阿部ちゃん、正解。」

翔太もあのパート分けがしっくり来たのか、男女デュエットでラップ部分がある「素直になれたら」。

男性ボーカルの曲かつ替え玉していたからか、先程は低めの声で歌っていたけれど、今回は女性ボーカル。

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歌い出しからこれまでとは違う声色で、ぐっと心を掴まれる。……やばい。これもっといろんな曲聴きたいわ。

翔太とこそっと話し合い、1曲おきにリクエストしようってことになった。その間は俺と翔太交代で何か歌って、クロミちゃんはずっとfeat.してもらって。

もうこれリクエストライブだ。ひたすらコラボ曲やらツインボーカルの曲を姉弟に歌わせるっていう。

ちなみにオレがYUIさんの曲を入れたとき、Aちゃんが「懐かしい、めっちゃ聴いてた」って言ってくれたので、同じ時代生きてるんだなって思った。