君の声から始まった② (ページ12)

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気持ちの真実③緑ページ12

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トイレから出ようと鍵を開けたとき、翔太とAちゃんの話し声が聞こえてきて、少し扉を開けて様子をうかがった。

邪魔しちゃいけないっていう親切心じゃない。盗み聞いて今後に役立てたいからだ。

断片的にしか聞こえないが、カラオケという単語が耳に入る。翔太がカラオケに誘っているんだろう。

こうなると二人で、だよね。阻止しなければ。

そんな思いの人物はオレだけではなかった。

「はーい！オレも行きたい！」

席を外していたクロミちゃんだった。……よし、ここはオレも便乗させてもらおう。

「えー、みんなカラオケ行くの？オレも行きたい！」

翔太の顔をチラッと見れば、こんなはずじゃなかったって顔をしてる。

本当、分かりやすくて可愛いなぁ。

じゃあいついつね、って日程を決めてその話は終わる。そこからは当初の予定通りクイズ番組に向けた勉強だ。

クイズ番組は自分からしてみればいい結果に終わり(もちろん完璧とは言えないけど)、ついに今日は4人で約束したカラオケの日。

みんな厳重に変装し(Aちゃんに至ってはクロミちゃんの服を着て女の子らしさを排除している)、カラオケ店へと入る。

さて今回のカラオケ、オレの中でAちゃんに歌ってほしい曲が一曲決まっていた。

「あのとき歌ってた「声をきかせて」、フルで聴きたい！」

「オレもー。」

明らかに初っ端から歌う曲調ではないが、どうしても聴きたかった。翔太もひょいと手を上げ同意する。

自分からでいいのか、と戸惑っていたが、オレがいつものところ歌うから！ってクロミちゃんが援護射撃して歌ってくれることになった。

いつものところ？二人でよく歌っているのだろうか。