君の声から始まった② (ページ11)

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気持ちの真実②弟ページ11

side弟

電話でのやり取りが終わって、ドアを開けっ放しにしていた自室から出る。ドアを閉め終わり、再びリビングに向かっていると。

「あのさ、カラオケに一緒に行きたい。」

「カラオケ？」

「歌ってるところ、もっと見たいなって。」

しょーたが姉ちゃんをカラオケに誘っていた。ついに仕掛けることにしたのか。

そしてカラオケということは、以前聞いた声が気になるって言うところからだろうか。

……もし本当に声が気になるだけだとして。それでも姉ちゃんと二人きりになるよな、このままだと。他の誰かを誘うような感じでもないだろうし。

よし。ここはオレも混ざればいいな！

「はーい！オレも行きたい！」

「……チッ。」

「ん？」

「なんでもない。3人で行くのはどう？」

ぜってぇ舌打ちしたよな、しょーた。だいぶ丸くなったとはいえ昔は尖ってたからな、ちょっと怖いところチラ見えしてた。

姉ちゃんも3人ってことでそれならと思ったのか、いいよとの返事。

「えー、みんなカラオケ行くの？オレも行きたい！」

「よし！なら4人で！」

そこへトイレから出てきた阿部ちゃんも参戦。しょーたが返事するより前にオレが返事して、勝手に4人でカラオケってことにした。

少しでも人数多い方が姉ちゃんにちょっかい出しづらいしね。

阿部ちゃんも阿部ちゃんで勉強とはいえ最近姉ちゃんといる時間増えてるし。

……正直、まだ姉ちゃんは誰にも渡したくないんだ。舘さんか阿部ちゃんかめめなら許す、なんて言ってたけど、心の準備全然出来てないし。

まあでも、姉ちゃんは興味なさそうなんだよね、そういう恋愛ごと。

仕事で充実していて、かわいいもので癒やしは得られているおかげか。

それがいつか誰かになびくのかな。

はあ、俺って本当シスコン。