君の声から始まった① (ページ6)

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再会はすぐ① ページ6

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あの日なぜ私がSnow Manの面々の前に連れ去られたのか、弟に用があったとは本人たちから聞いたけど、まさか弟がSnow Manのマネージャーだったとは知らなかった。

ジャニーズ事務所に勤めていてたまに振付師をしているってことしか知らなかったし、何より詳しい仕事内容までは聞いたところでと思っていた。

だが、あんなふうに巻き込まれたら聞かないわけにはいかない。「Snow Manのマネージャー」っていう返答にはコイツ意外とやるのか？とびっくりしたけど。

あの日から数日後。弟の仕事内容を知ってから初めてのジャニーズ事務所への訪問。今回は普通に私の仕事関係だ。だからあの日よりきっちりとメイクをしてオフィスカジュアルな服装で完全武装。

またあの人たちに会うことになるかな、というか見た目変えてきたから分かんないか、と思いながらいつもと同じように事務所の受付へ。

今回はロビーで待つこともなくすんなりいつも案内してもらっている部屋へと向かう。慣れたものだし許可証は持ってるので一人でその部屋へと向かう。

途中、別の部屋から人が出てきた。いつものようにお疲れ様です、と軽く会釈をすると。

「お疲れ様です。……あれ、クロミちゃんのお姉さん？」

「あー……どうも。今日は仕事でして。」

「そうなんですね。お引き止めしてすみません。」

「いえいえ、では。」

私は相手の喉元までしか見てなかったから気づかなかったが、部屋から出てきたのは阿部さんだった。

やっぱ背高いな。そしてよく気付いたな私に。仕事ということですぐにその場を後にしたが、なんとなくツイてるなという気持ちになる。

今までも事務所所属のタレントさんに廊下ですれ違ったことはあったけど、相手から私だと認識されていると心持ちがこんなに変わってくるとは。今日の打ち合わせもなんとなくうまく行きそうな気がする。

……と思って1時間。

打ち合わせもいい感じに終了し、今日はこれで仕事終わりってことにして、ケーキでも買って帰ろうかな。手持ちのノートパソコンをバッグにしまい、スマホを確認する。

17:00。今から帰って仕事なんて気にはならないからそうしよう。席を立ち、担当者さんにお疲れ様でしたと声をかけ、ミーティングルームを出る。

帰りにケーキを買って帰ろう。やっぱりショートケーキかなー。脳内にシルエットを思い浮かべながら廊下を歩いていると、前からよく知る人物と最近会話したお二人がこちらへ歩いてきた。普通に挨拶しておこう。