君の声から始まった① (ページ34)

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トリガー⑧青ページ34

side青

Snow Manとマネージャーでのカラオケのあと。オレ、ふっか、佐久間、涼太、康二の5人で2次会を開いた。

「クロミちゃん、ほんま起きへんかったのにお姉さんがなんかやったらすぐ起きてて姉弟なんやなって思ったわ。」

「結局あれって何やってたの？」

「香水の匂いかがせてたらしいで。」

全然起きなかったのに突如として起きたフータ。俺はその一部始終をよく見てなかったから康二に聞いてみれば、香水の匂いで起きたらしい。

「香水？俺もフータ起こす用に欲しいなー。」

「ふっかさんは絶対目的違うやろ。」

「えっ、お姉さんと同じ匂い持ちたいとかそんなこと言ってないよっ。」

「今言うとるがな！」

小気味よいふっかと康二のやり取りを尻目に、大好きな焼き鳥を堪能する。

「いやーでもお姉さんメチャ歌うまかったね！歌声もクロミちゃんそっくりだったし。」

佐久間がAさんの歌声について言及した。やっぱり歌声が似ていることに関しては同意見のようだ。けれど、双子だからと歌声まであんなに似ることがあるんだろうか。

「え、クロミちゃんの歌ってるところ見たことあるん？」

「あるよ。フータもJrだったし、レッスンも一緒に受けること多かったし。」

関西にいたから見たことないだろうけどね、と康二からの質問に涼太が答える。……そうなんだよ、レッスン。いつかのレッスンでもあの歌を歌ってたんだよ。

「たしかクロミちゃんもあの歌好きだったよねぇ。」

「そうそう。」

ふっかと佐久間、覚えてるじゃん。涼太もそうだったなーとか言ってるから、あの日のことはみんなの記憶にだいぶ刻まれているようだ。

「あれ、しょっぴー。」

「ふぇ？」

と、突如康二が俺のことを呼んだ。全然準備してなくて変な声が出る。そのへんな声に他の皆も乗っかって意識飛んでた？だったりガヤガヤし始める。

「まさかお姉さんのこと考えてにやけてたんですかー？」

「は？にやけてねーよ。」

「考えたことは認めるんかい！」

「あ、いや……。」

「惚れちゃったってことか、そうか……。」

「惚れてはない！」

「あやしー。」

康二にうまいこと誘導されてしまった。この流れに沿って、普段はそこまでのっかってこない涼太さえも冷やかしてくる。

……あの姉弟、歌声似すぎなんだよ。