君の声から始まった① (ページ10)

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再会はすぐ⑤ ページ10

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「阿部ちゃんの今度のクイズ番組って理系の問題だったっけ？」

「いやー思いっきし歴史と地理。苦手なとこなのよー。」

今度は阿部さんのお仕事の話。

目黒さんが俺は理系だろうが文系だろうがよく分からんと何故か自信満々に言うものだから微笑ましい。

そして頭がいいイメージの阿部さん、歴史と地理苦手なんだ。何でもそつなくこなしそうなのに意外だ。

「歴史と地理なら黒見家におまかせを！」

「出たクロミちゃん！」

実は弟も私も社会(地理歴史)のクイズが得意。弟が得意なことは阿部さんもすでに知っていたようだし、なんなら教えてそうまである。

「ほんと歴史だけなら姉ちゃんマジ強いから。」

「お姉さんも歴史強いんですか！？」

「他に比べたらですね……。」

「いやこれ謙遜、歴史に関しては俺が常に負けるから。」

「え、やばっ！ちょっと握手してください、！」

そんな中で私が歴史得意だということをぶち込んだ弟。その言葉のあとの阿部さん、すぐさまくるっと私の方を向いて、めっちゃ目をキラキラさせている。

しかもなぜか握手を要求される始末。今なら阿部さんに尻尾が見えそう、そしてブンブン振り回してそうだ。

何だこのかわいい生き物。絶対私よりかわいいよ。あ、負けたわ。

尻尾の幻影が見える中、首脳会談のようにガッチリ握手される私。

……えっ、ちょっと待って。私、トップアイドルと握手してるううううう！！！！