君の声から始まった① (ページ2)

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9人との出会い① ページ2

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なんで玄関に置いておいてこれを忘れるのか。肌身離さず持っていた系のこのバッグを。

双子の弟、楓汰【フータ】から忘れ物したから持ってきてほしいと連絡が入った。弟の勤務先はあの有名なジャニーズ事務所。

実は仕事関係で私･黒見Aも何度か訪れたことはある。フリーでウェブ系の仕事をしているので、所謂弟のコネでたまに仕事を貰っていましてね。持つべきものは立派な弟ですね。

いつもの道を通り、事務所にたどり着く。受付で黒見楓汰にお届け物ですと告げれば、「お姉さんですね、そちらでお待ちください」とソファに案内された。

バッグとその上に置いてあった味のある手帳。中身は流石に見ないが、手で持ってくるくるしてみる。

今日は忘れ物渡したらすぐ家に帰って仕事する予定だから大したメイクはしていない。イケメンが出てくるかもしれない場所だから、顔をいろんな人に見られる前に帰りたいんだけど、あいつはまだなのか……。

「あ！クロミちゃん見っけ！なんでこんな所におるん？」

「そうですよ、さ、行きましょ！」

テレビで聞いたことあるような声。私がその声に反応して顔を上げたときにはもう両方の腕をそれぞれ掴まれて、立ち上がるしかなくなり。

何だこの二人。二人ともデカイけど、一人は見たことないくらいにデカイ。私はちょっと！？しか言えずそのまま付いて行くしかなくて。

えーと、私の記憶だとこれはラウールさんと向井さんだよね……？記憶を掘り起こした時にはどこかの部屋に到着していた。私、こっちの方来たことなかったんだよなー。……じゃなくて！

「ふっかさん、クロミちゃん捕まえてきました！」

「よくやった二人とも！」

部屋の中を見渡せば、あのグループのメンバー全員いて。クロミちゃんってさっきから私のこと言ってるあたり、我が弟と間違えられてるなこれ。弟よ、一体この人たちに何をやらかしたんだ。