【刀剣乱舞】私、審神者になります！ (ページ9)

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八話：大倶利伽羅と本丸生活ページ9

貴「このところずっと本丸で生活を送ってきているわけだけど、いつかちゃんと元の世界に帰れるのかな…」

　私は自分の部屋でふと考えていた。今はここでの生活が当たり前だけど、私に霊力があるせい…なんだよね。じゃあ、霊力がなくなったらどうなっちゃうのかな…――

貴「あー！だめだ！考えるのやめて気晴らししよっ」

貴「なんだかおなか減ってきたし好きなものでも作って短刀たちと一緒に食べようかな～」

　私は、何を作ろうかと考えながら台所へと入る廊下に曲がったとき、ドンっと勢いよく何かにぶつかり、しりもちをついた。

貴「へぶぅ！…いったたた。ごめんなさ―」

　私は変な声を上げたと同時にぶつかったほうを見た。そこには上半身裸の刀剣男子が立っていた。

大倶利「ん？なんだ、そんな間抜け面して」

貴(どどどういう状況！？なんで上着てないの！ていうか汗？)

大俱利「はぁ…。おいあんた、いつまでも座ってないで立ったらどうだ？」

　大俱利伽羅はそう言うと、近くにあった脱いだ服を取って歩き出した。

貴「ちょ、待って！そっちこそ何してたの？」

　私は立ち上がって大倶利伽羅の、名前長いな…。燭台切がよく呼ぶ“伽羅ちゃん”でいいや。伽羅ちゃんの横に行き、あまり直視しないように話しかけた。

大俱利「人気がない場所を探して鍛えていただけだ。あともう少し離れろ。馴れ合うのは好きじゃない」

貴「それでそんなに汗だくなの？あと服着なよ、体冷えちゃうよ？」

　私は少しだけ離れて伽羅ちゃんに服を着てもらうように勧めた。

大俱利「別にいい…」

　そう言いながらも伽羅ちゃんは服を着てくれた。
　そしてしばらく二人で何も話さないまま台所まで歩いた。

貴「そうだ！伽羅ちゃん、おなか減ってない？よかったら一緒に食べない？」

大俱利「はっ！？誰が一緒になんて。それにその呼び方やめろ」

　伽羅ちゃんは少しだけ照れたそぶりを見せてそっぽを向いた。

貴「いいじゃん、筋トレで疲れたでしょ？なんか作るよ。待ってて～」

　私は別にいいと言ってくる伽羅ちゃんを放っておにぎりを作り、軒下にいる伽羅ちゃんの所へ持って行った。

貴「はい、どうぞ。シンプルに塩おにぎりにしたよ」

大倶利「ん…」

　伽羅ちゃんは一口食べると気に入ってくれたのか三つも食べてくれた。

大俱利「今度俺が鍛えるときも、また作ってくれないか？…おにぎり」

貴「もちろん！」

　少しは伽羅ちゃんと近づけたかなと思った私である。