【刀剣乱舞】私、審神者になります！ (ページ17)

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十六話：元の本丸へページ17

あれからたくさんの月日がたち、相変わらず彼らの御霊(みたま)御霊をもらっている。

　しかし、一時的に回復するものの一日たてばまた空になる。

　そのたびに出陣して、喰らって、また無くなって――。

影加州「まるで魂がない抜け殻だね」

貴「……」
　
　私はもう出陣するのをやめた。

　もう苦しみから解放されたい一心で私は部屋の隅に縮こまった。

影加州「いつまでそうしてるつもり？」

貴「……」

　加州は黙って一つため息を漏らして部屋から離れた。

　一人になると元の本丸にいたことが頭をよぎった。

　みんなと遊んだこと、話したこと、けがを治したこと、食事をしたこと。

貴「―…っふ、う、うぅ」

　思い出すたびに涙が止まらなくなった。

　帰ろう。みんなのいるところへ。

　私は加州たちが見てない隙に入ってきた扉へと急いだ。

貴「みんな…」

　私は戻れるか心配になりながらも暗い道をただ進んだ。

　そして走って暖かい光が差し込んできたほうに一目散に走った。

貴「んっ…。っ！」

　目が覚めて視界がぼんやりしている中で二つの人影が見えて、私は急いで飛び起きた。

加州「うわぁ！もういきなり起きて大丈夫？」

長谷部「あ、主ぃぃ、お怪我は？お怪我はありませんか！？」

貴「加州に長谷部…。あっちのじゃ、ない―」

　二人は私が廊下の途中で倒れているのを見つけて部屋まで運んだらしい。

　あぁ、やっと戻ってこられた。

　私は安心感と解放感が込み上げてきてまた眠った。

　もうつらい思いはしなくてすむんだ――。