【刀剣乱舞】私、審神者になります！ (ページ11)

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十話：崩れゆく本丸生活ページ11

私は自分に起きていることが徐々に明確になってくる。

貴(そんな…。だって、昨日までなにも――。ううん、実は気づいてたのに気づいていない振りを勝手にしてたんだ…。こんのすけに言わなきゃ)

岩融「鍛刀はもうしないのか？」

貴「岩融、畑当番の様子見に行ってくれる？」

　岩融は私の様子を察してわかったと言い鍛刀部屋を後にした。

　私は急いでこんのすけのところに行った。一刻も早く解決しないとと焦る気持ちから気づけば息を上げながら走っていた。

貴「こんのすけ！話があるの！」

　私は部屋の障子を勢いよく開けて部屋に入る。

こんのすけ「“あるじ様のこと”ですか？」

　こんのすけはどうやら私が話す間もなく、すべてを知っているようだった。
　私はこんのすけの落ち着いた様子を見て冷静さを取り戻し、静かに障子を閉めて座った。

貴「こんのすけ、私の霊力……どこまで落ちてるの？」

　私は震える声でそうつぶやいた。

こんのすけ「はっきり申し上げますと、ここにいるので精一杯だというのが現状です」

　私は何も言えなかった。最悪の事態を考えながらも考えないようにしたせい…？もうみんなとはいられないの？私の頭の中はいろんな感情でぐちゃぐちゃになっていた。

貴「霊力が戻る方法はないの…？もう手遅れなの？」

こんのすけ「あるにはあるのですが…。その、実際成功例がなく、私からは何とも言えないのです」

　私は方法があるならどんなことでもやるつもりだ。
　だって、ここでの生活は楽しいことだらけだもん。

貴「こんのすけ。私、やる。みんなと離れたくないし、もうこっちの生活が好きになったの。だからやる」

　私のまっすぐな表情を見てこんのすけも了承してくれた。

　だが、このときの私には想像もできない、悲惨で過酷な試練が待っていた――。