灰色の花 (ページ16)

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第十三章ページ16

ソフラの体は紅く染まっていた。

ソフラ「ぐふっ」

ソフラは表情一つ変えずにただ、自分の腹に刺さった腕にイノセンスを突き刺していた。
その腕は、アレンのイノセンスと同じ形状をしていた。

ララ「グゾル...」

グゾルはララに手を伸ばした。

その時、ララとソフラの体は砂の中に引きずり込まれたれた。

アレン「ソフラ！」

アレンも手を伸ばすが、空を切るだけだった。

神田「奴だ！！」

アレンは茫然と、ソフラの消えていった場所を眺めていた。
アレン達を囲むように砂の中を何かが走っている。

砂の中を何かが止まった。
少しの静寂が訪れ、アクマの嬉々とした声が響いた。

アクマ「イノセンスもーらい!!!」

砂から現れたアクマの手には、ただの人形となり果てたララと
力無く垂れ下がっているソフラがいた。

その時、ソフラの顔がニターと不気味に弧を描いた。

ソフラ「ええ、そうですね。
　でも、それは私のイノセンスです」

そして、ピクリとも動かなかったララが花びらとなって散り、アクマを囲むように飛び始めた。
アクマは、あたふたしている。

ソフラ「第一形態『乙女心』「花見」」

花びらは、動き止まったかと思ったら、アクマの体に深く突き刺さっさた。

ソフラ「「解散」」

その一言と同時に、アクマの体から花びらが肉片と共に散った。
アクマは、見るも無残な姿となった。

アレン達は、ただ茫然と見ていた。

ソフラは、何の躊躇も無く腹に刺さっている腕を強引に引き抜いた。
そして、ポケットからララのイノセンスを取りだした。
それを、少し眺めてから、辺りを見渡してララの体をさがした。

ララの体を見つけると、イノセンスを取り付けた。
ララは、確かに動いた。
でも、それは「ララ」ではなく、ただの「人形」となっていた。
ソフラは、悲しい顔をしていた。

グゾルは、泣きながらその短い残りの時間をララと共にいる事を選んだ。
それを見ていたソフラは、何の前触れも無くたおれた。

慌てて駆け寄ったアレンは、目を点にした。

ソフラの腹にあったはずの傷がなかったのだ。