山奥にて 六 ページ7
………暇だな。
あぁでもストレッチはしたけど、ウォーキングは
してなかったな…でも周りに人が居たら、
面倒そうだしな。
大正時代って暇潰しに何があるんだろう…。
と言うか、鬼が蔓延るなんて凄い世界だな。
まぁ俺の所も…。
そこまで考えて、俺は呟く。
「…母さん…っ、いっ…!」
え、なんだ…急に、頭が…。
…少しすると、頭痛は治った。
何だったんだ…?
それから、暇を持て余しながら過ごしていた数日後の事。
善逸がやってきた、丁寧に土産物を持って。
そして世間話…?も程々に、善逸からある話をされた。
「…鬼殺隊に入らないか、か?」
「うん…む、無理には言わないけどさ!鬼殺隊の
人達にとってきっと、焔雷さんの力は心強いものに
なるって思うんだ」
「…だけど、なぁ…俺の能力的に、多分鬼側だと
思われて終わりだろ?」
「いや、それが多分大丈夫になりそうなんだ!
実はさ、俺の同期に鬼にされた妹さんが居て、
そいつと一緒に入隊してもいいって事になったんだよ!」
…妹…?
ふと、またずきんと頭が痛んで額を押さえる。
「っ…そう、なのか」
「…だ、大丈夫?」
「あぁ…少し、頭痛が…大丈夫だ、続けてくれ」
「えっと、それで…多分、焔雷さんも入隊は
できる筈だから、来るだけでもどうかなって…」
…正直、あまりこの力は使いたくない。
あの感覚や、一瞬のフラッシュバックに…怖がってる、
ってのもある。
それにもし、制御ができずに暴走したら俺は
鬼と変わらないんじゃないか。
…けど、それでもだ。
行ってみるだけでも、いいんじゃないかな。
守りたいと思うかは別として、俺なりにも
鬼には思うところがある。
俺は
「…行っても、いいか?」
「っ!ほ、本当に!?」
「まだ入るとは決まらないが、行くだけなら」
「な、なら行こう!あ、荷物は俺が持つから!」
「だ、大丈夫だから、落ち着けって…」
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作者名:徒花(腐女子) | 作成日時:2023年4月8日 23時