治のおかげやね【宮治】

40 ページ41

.



看「今日の昼過ぎに検査するからね」

『分かりました』

看「時間あったらリハビリもしよか！」

『了解です、！』



目を覚ましてから1週間



少しずつ声量も出る様になり、体力も僅かながらではあるけど回復している


朝ごはんを食べ終えて暇な時間がきた


スマホがあれば暇つぶしできるのにな




『(テレビも見飽きたし何しよう…うーん…)』




ベッドの上であぐらをかいて腕を組みながら考える




ｶﾞﾗｶﾞﾗ




『あれ、どうしま…し、た…』



何かやり忘れた事あったかなと思い看護師さんに問いかけた



でもそこにいるのは看護師さんではなくて




治「はぁ、はぁ、、桃花！」




息を切らした治がだった


治はズンズンとベッドまで来て




治「ほんまに、ほんまに良かった…」




抱きしめられた


その温もりが、凄く久しぶりで


自然と涙が流れ出た





治「桃花全然起きんのやもん、俺ほんまに耐えられんくて…桃花おらんくなったらどうすればええんやって…」


『おさ、む……心配かけて…ごめんね』


治「ほんまやぞ！一生分心配してもうたわ！」




抱きしめられる力が強くなった


こんなに心配されてるなんて私は幸せ者だな…




『もう、大丈夫やから…あの時助けてくれたん治やった？』



そう言うと治は私から離れて苦い表情をしていた



治「桃花の写真の件があって…心配になって家行ったらアイツが部屋入ってくのが見えたんや……そこで行けばよかったんやけど警察呼んだ方が今後の為にもなるかな思うて…」


治「あんなになるとは思ってへんかったから、はよ助けられんで……ほんまにごめん」




治は涙を流しながら頭を下げた



こんな時に思う事じゃないんだろうけど


治の涙が凄く綺麗で…私の為に泣いてくれてるんだなって思ってしまった


改めて私は治が好きなんだと実感する




『治』


治「ん、」


『助けてありがとう』

41→←39

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す