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閉まったドアに施錠して
私は冷蔵庫を開けた。
発泡酒と適当な作り置きを手に取り、テレビの前に座る。
リモコンのボタンを押すと
くだらない深夜のバラエティが映る。
その本当にくだらないやり取りを見ていると 次第に笑いが込み上げてきて
私は1人で堪えきれない声を漏らしながら笑った。
安酒が効いたのか 爪先から頭のてっぺんまで熱くて熱くて 汗をかきながら笑い転げた。
そして唐突に流れる涙をきせとめる事もせず
私は暫く笑い声のような泣き声を上げた。
こんなはずじゃなかった。
もちろん、今までだってずっとそうだ。
でも 今日 この日を 唐突に決めた自分が憎かった。
いつか終わらせなければならかったのは分かっていたけれど
こんな悲しい雨の日を選んだ自分が憎くて憎くて堪らなかった。
先延ばしにしていただけなのに、それでも心のどこかで まだいいじゃないかと笑う自分だっていたのに。
約3年前の夏
初めまして、と頭を下げたキムソクジンを見たあの瞬間から
私の地獄行きは決まっていたのだ。
後ろからじわじわと壁の迫ってくる直線を、自ら選んだのだ。
しかし立ち止まって振り返れば、そこにはあの日の、眼鏡をかけた私が立ち尽くしているだけで
一歩だって進んじゃいなかった。
足元の土を踏みしめて、ただ倒れないように、必死に立ち尽くしていただけだった。
そこはバランスの悪い地面で、どうにか立っていられただけで 先もなければ後もない そんな場所だったのだ。
大声を上げて泣く私を テレビの中のタレントが笑う。
笑ってくれ、どうかもっと笑ってくれ。
こんな惨めで浅はかな私を、笑い者にしてくれ。
そして願わくば、誰でもいい
私を優しく、慰めてくれ。
欲しくて、欲しくて
だからこそ、私は手放した。
さよなら、馬鹿な私の馬鹿な日々。
枯れてなんかいなかった涙を好きなだけ流して そのまま床に突っ伏す。
私はベッドに行けなかった。
もはや異物だと認識する事が出来ない
彼の匂いを嗅ぎたくなかった。
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K(プロフ) - sunnyさん» コメントありがとうございます！ジンくん目線！凄くいいですね。整理が着いたら書いてみたいと思います！本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2021年10月15日 20時) (
レス) id: 2712528a63 (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - すごいどストライクの作品で大好きです💜！この作品のジンくん目線？の内容もすごい気になります！これからも大変かと思いますがお話頑張ってください！！ (2021年10月15日 18時) (レス) @page37 id: 5ee4f4580f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - びぃんさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。こんな最低の男にしてしまって申し訳ないですが気に入っていただけて良かったです！ (2021年10月11日 18時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
びぃん(プロフ) - いやめちゃくちゃ好きです何だこれは……すっごい昂りましたありがとうございます神様仏様K様…… (2021年10月11日 18時) (レス) @page37 id: 57661bab90 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほまさん» コメントありがとうございます！激アツ、凄く嬉しいです！風景を思い描いていただけて良かったです。これからも少しずつですが書き進めていこうと思いますのでまたご覧頂ければ幸いです。 (2021年10月11日 0時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2021年10月2日 19時
