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基本的に週末や金曜日に彼がくることはなかったのにそう思えばこの日は不思議だった。
｢喧嘩でもした？｣
理由を探るつもりではなかったが何となく気になってしまった。
｢いや？なんで？｣
二本目の煙草を吸うのは初めてだ。
自分で煙草を買う程ではなかったが、咳き込むことなく吸えるようになった彼の煙草の残骸が4本、入れ物に残る。
｢別に、何となく｣
｢順調だよ｣
｢そう 良かった｣
そんな中身の無い会話をしていると、ふと空腹に気付く。
いつもは彼が帰ってから適当に食事を済ませていたのが、今日はそれをしていなかった。
｢お腹空いた？｣
キムソクジンに聞きながら、冷蔵庫を開けると 作り置きしておいたカレーの保存容器が目に入った。
｢食べる？｣
返事を聞く前に保存容器を取り出し、彼に見せると
｢あ、食べる｣
と笑う。恋人ごっこのようだ。こんな不毛な関係でもその顔に幸せに似た感情を覚えてしまう。最悪の気分だ。
レンジで温めたカレーをご飯にかけ、テーブルで勝手につけたテレビをぼんやり見るキムソクジンの前に出すと その皿を見つめながら手を合わす。いただきまーすと独特の間延びした声を上げスプーンを手に取るのを 少し感心しながら見守る。こんな現実離れした男でも 手を合わせて頂きますと言うのか。
｢Aさんてさ、カレーどうやって食べる？｣
｢どうって？｣
向かい合う場所に自分のカレーの皿を置き、腰掛ける。
｢僕よくカレーの食べ方邪道だって言われるんだよね｣
そう言いながらカレーとご飯を 握ったスプーンでぐちゃぐちゃに混ぜ始めるのを見て 先程の感心を撤回した。
｢それは邪道だね｣
｢やっぱり？｣
時々冗談を言い合ったり、仕事の話をしながら食事を進める。
三大欲求の内二つを満たしたあとは、動物的な感覚で睡魔が襲ってくる。
キムソクジンも同様のようで、大きな欠伸をしながらソファに背中を預け伸びをした。
｢そろそろ寝ようか｣
皿をシンクに置き、水を浸したが洗う気になれず 私はベッドを顎で指した。
｢うん｣
キムソクジンは子供のように従順に指されたベッドにのろのろと向かい、右端に腰掛け すぐさま横になった。
私も続いてベッドに近付き、逆側のスペースに腰掛ける。
｢化粧落とさないの？｣
｢ほっといて｣
コンタクトレンズだけを外し、枕元のゴミ箱に投げ入れると 既にティッシュでいっぱいのそれに気がついた。
溢れて床にこぼれたティッシュの1つがとても虚しく見えた。
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K(プロフ) - sunnyさん» コメントありがとうございます！ジンくん目線！凄くいいですね。整理が着いたら書いてみたいと思います！本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2021年10月15日 20時) (
レス) id: 2712528a63 (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - すごいどストライクの作品で大好きです💜！この作品のジンくん目線？の内容もすごい気になります！これからも大変かと思いますがお話頑張ってください！！ (2021年10月15日 18時) (レス) @page37 id: 5ee4f4580f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - びぃんさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉を本当にありがとうございます。こんな最低の男にしてしまって申し訳ないですが気に入っていただけて良かったです！ (2021年10月11日 18時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
びぃん(プロフ) - いやめちゃくちゃ好きです何だこれは……すっごい昂りましたありがとうございます神様仏様K様…… (2021年10月11日 18時) (レス) @page37 id: 57661bab90 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほまさん» コメントありがとうございます！激アツ、凄く嬉しいです！風景を思い描いていただけて良かったです。これからも少しずつですが書き進めていこうと思いますのでまたご覧頂ければ幸いです。 (2021年10月11日 0時) (レス) id: d7c2a5623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K | 作成日時：2021年10月2日 19時
