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貴方side
角「一ノ瀬の…佳奈さんの事、話してくれてありがとう」
貴「…ううん」
角「魅音」
背けていた顔を倫太郎に向ける
角「過去の事…付いた傷はずっと残ると思う。でも過去があるように、未来もあるんだよ。辛い思いや悔しさは忘れられない…いや忘れなくて良いんだ」
貴「?」
角「辛い、苦しい、悲しい…それを糧に未来を生きよう。魅音の人生はこれからだと思う。今は侑や治、銀や北さんがいてバレー部もいる。もちろん俺も」
角「俺は、俺達は術師の魅音も、普通の女の子の魅音もどっちも大切」
角「上手くまとまんないけど… 魅音はもう1人じゃないんだよ?全部自分で背負い込まないで」
角「これからは俺達に魅音の思った色んな事を教えてよ。前にも言ったけど、俺は魅音の事もっと知りたい」
倫太郎は真っ直ぐ私を見ていた
その目は真剣で、全て見透かされているようで
私がここにいるって…ここにいてもいいって
思わされるような目で
ああ、
私は、この世界で生きて良いんだ
私の事を道具でも化け物でもなく
"1人の人間"として見てくれている
それが、その想いがどれだけ私を
救ってくれているのか倫太郎は気付いてる?
倫太郎に出会えて本当に良かった
今ここにいる人が倫太郎じゃなかったら
私はこんな気持ちになっていたのだろうか
いや、他の誰でもない
倫太郎だからこんなに、こんなに__
貴「___ありがとう」
胸が暖かさでいっぱいになるんだ
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作者名:ぶり | 作成日時:2021年3月2日 5時