【utit】黒く染まったクリスマス【A f t e r t h e R a i n】

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少しだけ問題の内容を考えた。
彼方とAとやるときとは訳が違うから。
僕は内容の考えが固まってきたあと、問題の内容を２人に話した。

『ＡとＢの２人が人質にされている。誰か１人をお前は殺さなきゃいけない。誰も殺さないとしたとき、犯人はもちろんお前も含めて皆殺しすると言った。Ａは自分の恋人。Ｂは昔から仲が良い幼馴染み兼親友。さぁ、誰のことを殺す？』

これは答えの理由によっては美談になる話だ。
どっちも選べないと言ったってどっちも助けたいからという理由になるから。
どっちか一人を殺すことになっても、こっちの方が大切だから、と言えばいいだけ。
この最終問題に正解なんてないけど、僕達兄妹は全員自分を殺すという意見になった。
僕達の場合の問題はＡとＢが兄妹だったから、殺すくらいなら自分を、という理由。
なぜコイツらには恋人と親友なのかというと、コイツらの家族事情を知らないから。
別に調べてもよかったのだが、調べてもそれが必要な知識というわけではないから。
なにより、そこまでコイツらに興味というものがわかないというのが本音だ。

『……それで、誰にすんの？』

「…………選ぶとしたら…………Ｂかな。幼馴染みならずっと一緒にいただろうし？恋愛よりも友情とりたいタイプなの」

「私は……Ａかな？愛する人の死は、嫌だから。幼馴染み兼親友のＢも大切だけど……一人だけっていうのなら、Ａかな」

理由的にはいいけど、実際そうなったのなら、なんにも答えられずに死ぬタイプだと思う。
僕がまだ何にもしていないから安心しきっているだけで、同じ質問を急にされたら答えられず皆殺しにされるだろう。
僕も答えられる自信はないけど、彼方とAのためなら自分を殺すって言えると思う。

『……結果発表、だな』

彼方とAのことを考えていたら、僕が一番楽しみにしていた時間がやってきた。

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