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《なーんだ……成功したの?》
『なーんだって何』
少し残念そうな声が耳元で響く。
それに少しイラつきながらも眠っている二人に目を移した。
気持ち良さそうに寝てるなぁ……
『……そろそろ起こさないとだから、彼方はAのことよろしくね』
《はいはい。分かってます。真冬も頑張れよ》
そう言うと、切れた電話。
僕は深くため息をついた。
立ち上がってキョロキョロと辺りを見回す。
ここは廃墟になった建物の3階。
長年使われていなかったのが原因なのか、古びている。
それが逆に怖さを際立たせる。
僕も下見で来たときは幽霊でそうって恐怖で一杯だったが、本番になるとそんな感情は飛んだ。
『……はぁ……おーい。生きてる?』
しゃがんで、二人の頬を軽く叩く。
すると、ピクッと反応を示した。
「ん……は?どこここ」
「本当に……さらったの……?」
『もちろん、そうだけど?』
「か、帰してよ!家に帰して!」
僕の腕を掴んで握る。
そんなことを言われてもなぁ……
僕は困りながら見た。
自分のことなら必死になるんだ。
もしもAだったら……
きっと自分はいいからこの子は帰してって、言うんだろうな。
そう考えると、Aがどれだけ綺麗でコイツらがどれだけ汚いのか痛いほど痛感した。
僕は腕を振り払うと、さっきまで座っていたところに座った。
『さて……ゲームしよっか?』
「はあ?」
「ゲー……ム……?」
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朝日菜薔薇 - JOKER2さん» ありがとうございます!気長に待ってくれると嬉しいです! (2020年3月25日 11時) (レス) id: 602e3f55c9 (このIDを非表示/違反報告)
JOKER2 - 更新頑張って下さい。応援していますよー!続きがすごい気になるなぁ…。 (2020年3月16日 10時) (レス) id: 226d68d24b (このIDを非表示/違反報告)
朝日菜薔薇 - ゆなさん» 更新が遅れてしまいごめんなさい。少しずつ進めていきますので、気長に待っていてください! (2020年3月9日 22時) (レス) id: 602e3f55c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新止まってますよ〜 (2020年1月1日 8時) (レス) id: c843a619c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/
作成日時:2019年8月15日 23時