第陸話 ページ8
｢私達の持つ異能力は、一つの事しかこなせない上にリスクや制限が存在して何でも出来る異能力なんて存在しない。けど、君のその力は私達の出来ない事を簡単に遣ってのけるし、リスクも制限も何も無い。…そんな君が安全に過ごせると思うかい？｣
｢……それは…｣
確かに太宰さんの云う通りだ。実際昔そんな事も有った。でも、私何かを狙う人なんて存在するとは思えない。
｢…恐らくだけど、もう何処かの組織が動いていると思うよ｣
｢えっ！？……何で、今迄普通に過ごせていたのに…！｣
｢…昨日の君の行動で、君という存在が認知されたのは確実だ。裏の組織なんかはそういうのに過敏でね、しかも此処ヨコハマにはそういうのに関して特に質の悪い組織がいる｣
太宰さんが言い終わると同時に、すぐ近くで大量の銃声が聞こえた。
｢……丁度来たようだね｣
｢太宰！！！！｣
｢分かってるよ、国木田君｣
もう何が何だか分からず、突然来た国木田さんにも驚く事なんて出来なかった。
｢谷崎君、彼女を｣
｢は、はいッ｣
谷崎君と呼ばれた人が来て、焦りながら私を何処かの部屋に案内した。
｢と、取り敢えず此処に居てください。出て来ても良い事になったらボクか太宰さんが又来ると思うので｣
｢あ、はい…｣
入れられたのは暗い部屋。中には何も無く、只々呆けるしかなかった。
どうしようかと悩んでいると、武装探偵社の扉が勢いよく開く音がした。
誰かが来た、と思ったのも束の間、先程外で聞いた銃声が又もや部屋の中で鳴り響いた。
｢なっ……！！｣
思わず耳を塞ぐも大して意味はなく、銃声が耳に劈く。
やっと銃声が鳴り止んだと思うと、誰かの声が聞こえた。
｢あの娘を出せ！！｣
｢…！！｣
きっと、娘と云うのは私の事だ。私が此処に居る所為で、武装探偵社に迷惑がかかる…。あの時と、同じ事に…！
｢落ち着き給えよ中也｣
その声でハッとした。きっと太宰さんの声。中也というのは、…多分さっき叫んでいた人の事だ。
｢銃声が聞こえたから何事かと思えば……酷いなあ、また国木田君に怒られてしまうよ｣
｢あァ！？御託はいいんだよ！さっさと娘を出せ｣
｢娘？…一体誰の事かな｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
捺16 - 九尾 シヨさん» コメント、そして嬉しい言葉ありがとうございます！なかなか更新出来ない日が続いてしまっていますが、そんなコメントを頂けるととても嬉しいです！これからもどうか気長にお待ちくださいませ…！ (2017年9月23日 17時) (
レス) id: fb627c24bc (このIDを非表示/違反報告)
九尾 シヨ(プロフ) - 面白いですね！ 頑張ってください♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪ (2017年9月10日 17時) (レス) id: 68aec8586a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：捺16 | 作成日時：2017年8月14日 23時
