第肆話 ページ6
「おい太宰!話が違うではないか」
すると、中から太宰さんが出て来た。
「え〜?私に言われてもなあ……異能じゃないなら本当にそれ以外の力としか言い様がないんだけど…」
そう言った太宰さんは、私に近付いてから言った。
「今から私が君に触れるから、君のその力を使ってみて呉れないかい?」
「あ、はい……」
私の肩に太宰さんが触れる。どういう意図で言っているのかは分からないけど、私の力が異能と呼ばれるものなのかそうでないのか確かめようとしているんだろう。
とりあえず、そこにあるものを浮かせてみた。
「な……」
「ふむふむ……うん、良いよ」
そう言われ、浮かせていたものをすとんと下ろす。
「太宰、これは……」
「そうだね、彼女の力は異能じゃない」
どうやら今した事で私の力が異能じゃないと分かったらしい。
「じゃあ彼女は所謂超能力者、というやつなのかな…」
「そうだとして、之からどうするのだ」
「うーん…まあ後で社長に色々聞いてみるけど、今は取り敢えず……」
すると、太宰さんが私の前に跪いて、手を握ってきた。
「私と心中して呉れないかい?」
「……はい?」
「太宰!今はそんな下らない事をしている場合ではないだろう!」
「下らないなんて酷いなあ!彼女を見給えよ。まるで私達と同じ人間ではないような美しさで…」
「あの!」
何だか恥ずかしくなって、思わず声を荒らげてしまった。
「あ、すみません…私行かなきゃならない所があるので……失礼します」
「ああ、済まないね。又来てくれる嬉しいよ」
「はい、じゃあ……」
そそくさと立ち上がり、お辞儀をする。
出口に向かい太宰さんと国木田さんの方を向くと、太宰さんがひらひらと手を振っていた。
もう一度お辞儀をし、再び思い扉を開いた。
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捺16 - 九尾 シヨさん» コメント、そして嬉しい言葉ありがとうございます!なかなか更新出来ない日が続いてしまっていますが、そんなコメントを頂けるととても嬉しいです!これからもどうか気長にお待ちくださいませ…! (2017年9月23日 17時) (レス) id: fb627c24bc (このIDを非表示/違反報告)
九尾 シヨ(プロフ) - 面白いですね! 頑張ってください♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪ (2017年9月10日 17時) (レス) id: 68aec8586a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:捺16 | 作成日時:2017年8月14日 23時