第玖話 ページ13
修復が終わってどうすれば良いか戸惑っていると、太宰さんが何かを国木田さんに熱弁していた。
「ポートマフィアから襲来があろうと彼女がいれば問題ないのだよ!彼女は戦闘にも向いているし、そうでなくともここ探偵社にはなくてはならない存在さ」
太宰さんがそこまで言って、やっと気付いた。どうやらこの人は、私をここに入社させようとしているらしい。
「あ、あの」
それに気付いて思わず声をかける。太宰さんと国木田さんがこちらを向く。谷崎さんはいつの間にかいなくなっていた。
「なんだい?」
「私は、ここに入社する事に…なるんでしょうか」
おずおずと聞くと、太宰さんの顔はパアアッと明るくなった。
「もしかして入社してくれるのかい!?嬉しいなあ、君から言ってくれるなんて!じゃあ早速社長の所に行こうか!うん、そうしよう!」
スラスラーっとそう言われ、理解が追いつかない。もしかして私がこう聞くことを予想して嵌めたのだろうか、なんて事を思ったが、人を疑うのはよくないなんて感情が働いて、とりあえず太宰さんについていくことにした。
「失礼します」
コンコン、とノックしてからそういった太宰さん、にがっしりと手を握られ逃げられない状況にいる。
部屋の中に入ると、奥にただ一人、誰かがいた。
「社長、例の彼女を連れてきました」
すると、さっきまで彼処を向いていた社長と思しき人が、こちらを向いた。
その人は長く明るい灰色の髪で、如何にも厳格そうな雰囲気を漂わせていた。
「太宰、勿論その少女の許可はとったのだな」
その人がそう言うと、太宰さんははい、と返事をした。
「彼女も人助けがしたいとの事で。彼女は戦闘も補佐も出来ますし、社員になるには申し分ないでしょう」
そうは言っているが、戦いなんてした事も見た事もないし、補佐が自分なんかに務まるとは思えなかった。それでも今断ったりなんかしたら拙いような気がして、大人しく下を向いていた。
その間にも太宰さんと社長、と思われる人の会話は続いていた。
『ポートマフィア』だとか『人喰い虎』だとかよく分からない単語が飛び交う。
動く事も何か言う事も出来ずに固まっていると、後ろの扉が勢いよく開いた。
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お久しぶりです、捺16です!
お待ちして下さっていた皆様、
本当にありがとうございます!
これからもたま〜……に、短いですが更新
していきますので、どうか気長にお待ちください…
宜しくお願い致します!
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捺16 - 九尾 シヨさん» コメント、そして嬉しい言葉ありがとうございます!なかなか更新出来ない日が続いてしまっていますが、そんなコメントを頂けるととても嬉しいです!これからもどうか気長にお待ちくださいませ…! (2017年9月23日 17時) (レス) id: fb627c24bc (このIDを非表示/違反報告)
九尾 シヨ(プロフ) - 面白いですね! 頑張ってください♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪ (2017年9月10日 17時) (レス) id: 68aec8586a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:捺16 | 作成日時:2017年8月14日 23時