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グリムのような言う事の聞かない生き物を、自分は山ほど見てきた。そして、自分もかつてそうだったからこそ、こう言った時の対処法は知っている。
「……ンじゃ指図じゃねェ、これはお前の為の任務だ。任務の内容は此処のゴーストを殲滅する事、報酬は学園に通う事…これでどうだ、“グリム”」
「今、オレ様の名前…しかも学園に!?」
そう、対処法は、相手に平等に接する事だ。幾ら自分が上の立場だろうと、偉そうにしているだけでは上下関係は成り立たない。かつて上司である
「俺は俺でゴーストの相手はする。手前は自分の身を守る事だけでも良いから必死になれ。それと、ゴーストの出た方向は俺が言う」
「ぐ、ぐぬぬ…分かったんだゾ!」
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闘って数分後。
「あちちっ!」
「ヒ、ヒィ〜!消されちまう!逃げろ〜っ!」
ゴースト達は一人と一匹に観念したのか、逃げていった。
「あ、あれ?勝っ……た?」
「…ハハッ、そうだよ、おめでとう」
グリムの様子が可笑しくて、少し笑った。グリムはホッとしたように言葉を紡ぐ。
「ハヒ、ヒィ…こ、怖かっ…いや、全然怖くなかったんだゾ!」
「ハイハイ、強がるのは元気な証拠だな」
グリムを少し揶揄っていれば、聞こえる足音と感じる気配。
「こんばんはー、優しい私が夕食をお持ちしましたよ…って、それは先程入学式で暴れたモンスター!追い出したはずなのに、何故此処に!?」
「フン!オレ様が……いや、“オレ様達”がお化け退治してやったんだゾ!感謝しろっ!」
自称優しい学園長、クロウリーが来てグリムに反応すれば、グリムは感謝しろと強請った。
「ん?どういう事です?」と問いかけるクロウリー。グリムの代わりに答える。
「此処にゴーストが住み着いてたのを俺とグリムで追い払った」
「…そう言えば、この寮には悪戯好きのゴーストが住み着き、生徒達が寄り付かなくなって無人寮になっていたのを忘れていました」
「そんな事は先に言っておくんだゾー!」
怒るグリムを宥める。そして、クロウリーに言った。
「クロウリー、頼みが…いや、条件がある」
「なんですか?」
「俺を入学させるなら、此奴…グリムも入学させてくれ」
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雪見だいふく - ちゅやかっこえぇ┏( ^ω^ )┛ (2021年10月24日 22時) (レス) @page41 id: 7c6b1438f9 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き!!(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください!! (2020年10月6日 0時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - やばい。面白すぎます!続きがめちゃくちゃ気になります!こんな感じの話を求めてました!応援してます!無理はしないでくださいね。 (2020年9月19日 22時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
死の林檎@Get along同盟???????(プロフ) - ぎゃあァァァァァ(((うるせェよ ktkr(^q^) ファンです!!頑張って下さい!応援しています!一生ついていきます!!! (2020年7月6日 16時) (レス) id: 6c1b6d3d5d (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 仁兎さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年5月11日 12時