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ガタッと音がした。


「(…何だこの音…)」


「やべえ、そろそろ人が来ちまうゾ。早いところ制服を…」


「制服?」と疑問が浮かぶ。けれど、身体が動こうにも動きにくい。


「うーん!この蓋、重たいんだゾ。こうなったら…奥の手だ!」


蓋、奥の手。意味が分からないが、恐らく蓋を開ける為に手荒な何かをするのだろう。

すると、次の瞬間。


「ふな゛〜それっ!」


ブワッと炎が燃え上がる感覚が、嫌でも伝わってきた。

しかし、焦る必要は無い。


「……また自分の家に敵襲か…良い度胸だなァおい…」


物騒な独り言を呟いた。それに気づかず蓋を開けようとした影は言う。


「さてさて、お目当ての…」


「お目当ての俺の命かァ?」


「ギャー!お前、何でもう起きてるんだ!?」


相手が起きている自分に気づかないものだから、声をかけてやった。すると相手の方が驚いて叫ぶ。


「何で起きてるも何も、そんだけ派手な奇襲されたら起きンだろ普通。って…喋る狸…!?」


真逆喋る狸が自分を奇襲しようとしてたとは思わず、流石にこれには驚いた。状況を判断する為にも周りを確認すれば、何と沢山の棺が浮いている。


「誰が狸じゃー!」


「喋る狸は居るし、何か部屋の中で棺が浮いてる…手前火葬でもする気なのか?」


「だから狸じゃねー!オレ様はグリム様なんだゾ!」


狸は自分の名前を名乗り更に言う。


「そこのニンゲン!オレ様にその服を寄越すんだゾ!さもなくば…丸焼きだ!」


思わず聞き直したくなった。命では無く服を欲しがる奇襲なんて、今の自分は味わった事がない。

何より喋る狸に棺が浮いてるなんて。自分の頭の中の情報にはそれが出来るやつ等一人も居ない。むしろ、棺を浮かせられるのは自分だったりするから尚更納得いくものか。

そこで気がついた。

この夢でも見てるような世界は現実であり空想。

つい先程まで闘っていた相手の異能力によるものだったと。


「なるほど、なァ…良く出来た世界だ」


「おい!本当に丸焼きにしちまうんだゾ!って…コイツ!待つんだゾ!」


この場合の最適解は、この部屋に居ることでは無く、この狸から逃げるふりをして別の場所へ追い詰め、尋問する事だ。

そう考え、狸が追いついて来れる速さで走って逃げた。

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雪見だいふく - ちゅやかっこえぇ┏( ^ω^ )┛ (2021年10月24日 22時) (レス) @page41 id: 7c6b1438f9 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き!!(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!更新頑張ってください!! (2020年10月6日 0時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
苑歌(プロフ) - やばい。面白すぎます!続きがめちゃくちゃ気になります!こんな感じの話を求めてました!応援してます!無理はしないでくださいね。 (2020年9月19日 22時) (レス) id: b9c45128c7 (このIDを非表示/違反報告)
死の林檎@Get along同盟???????(プロフ) - ぎゃあァァァァァ(((うるせェよ ktkr(^q^) ファンです!!頑張って下さい!応援しています!一生ついていきます!!! (2020年7月6日 16時) (レス) id: 6c1b6d3d5d (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 仁兎さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです! (2020年7月5日 21時) (レス) id: ff02591f43 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2020年5月11日 12時

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