検索窓
今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:500,855 hit

酷な仕返し ページ3

『真神A様』

そう書かれたプレートが掛かった病室に僕はノックをして入っていった。

Aさんが目覚めているんじゃないかっと云う期待と少し会うのが怖いと云う不安が在った。

中島 「Aさん、来ましたよ」

貴 「・・・」

僕が挨拶をしてもAさんの返事はない。

あの満面の笑みも見せてくれない。当たり前だよ、だってAさんは眠ってるんだから・・・

僕のせいだっ!

僕があんな事云ったせいでっ・・・

中島 「今日Aさんと僕で受け持つ筈だった依頼今日やったんです。

依頼人と現場に行く時本当は隣に笑顔で話し掛けてくれるAさんが居たんだなって思ったら寂しくなっちゃいました

何時も素っ気なく振る舞っている僕が何云ってんだって話ですよね

寂しいです。寂しいですよAさんっ!」

僕は眠っているAさんに今日在った出来事を話していると次第に寂しさが浸食してきて声が震えて涙が出てきた。

僕が泣いてもAさんは励ましてくれない処か反応もしなかった。

何も反応もない、声も掛けてくれない、目も合わせてくれない処が

そんな現実が有り得なかったから僕の罪を真に受けさせた。

中島 「Aさんが屋上から飛び降りた時右目に切り傷が在りましたよね、あれって僕が赤い眼が気持ち悪いって云ったからですか・・・?

だからあんな傷っ!

気持ち悪いだなんて嘘ですよ!、綺麗です、綺麗です!

何時までも見ていたい位綺麗ですよ!!


もう一度其の眼で僕を見て下さいっ、Aさんっ・・・!!」


僕がが泣き叫んで誤解を解いたとしても眠っているAさんに其の声は届かないし許しも得られない。

そんな事分かっていた

だけど叫ばずにはいられなかった、誤解を解かずにはいられなかった。

僕は面会時間が終わるまでAさんの寝ているベッドの横で椅子に座っていた。

今の僕には其れしか出来なかったから・・・




貴 「中島くんの眼って気持ち悪いよね」

僕の目の前でベッドで寝て目を開けて嘲笑ってそう云っているAさんがいた。

其れが幻覚だと幻聴だと分かっていたけど辛い気持ちを抑える事は出来なかった。

中島 「こんなに苦しいんですねっ」

茜色が蒼色に変わろうとする空を見ながら僕は涙を流して呟いた。


嗚呼、僕がAさんに云った事はこんなにも重い罪だったんだっ。

意外な怖気→←変わらぬ現実



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (337 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
330人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

もっち - もう意味わからんくらいに泣きました良作品ありがとうございました (9月30日 0時) (レス) @page46 id: 8abd05d020 (このIDを非表示/違反報告)
夢菜 - もう物理的に心が傷んでやばかったです!号泣してティッシュ無くなりました! (7月27日 12時) (レス) @page46 id: d976c5d16a (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス - ベットの上で読んで、大号泣しました…すごいいい話でしたね!ティッシュもハンカチも無くて、枕がずぶ濡れなんですが!? (2022年5月23日 1時) (レス) @page46 id: 3c601836b6 (このIDを非表示/違反報告)
エイリス - やばい涙がやばかったです!ポケットティッシュめちゃくちゃ使いました! (2022年3月21日 8時) (レス) id: 6d08cb1905 (このIDを非表示/違反報告)
黒芹(プロフ) - 観覧ありがとう御座います!、そこまで泣いてくださって嬉しい?です! (2019年5月29日 15時) (レス) id: e1a12d6e15 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黒芹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=huzisamaLOVE26  
作成日時:2017年1月5日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。